料理対決 JMその15 ≫No. 1
永久駆動
2009/07/18 09:52
水時方玖里子を訪ねてきた女子高生は金子真琴と名乗った。
「呉連月さんは父の古い友人で、
私たまたまその日に呉さんのお店へ遊びに行ったんです。」
「そしてあなたは料理対決の数少ない観客の1人になったのね。
対決を見ていて特に気がついた事はなかった?」
「ごめんなさい。私はお料理の事とか詳しくないんです。」
「ではあなたの見た事を話してください。」
中華街一の名店、皇宮菜館。
その料理長を決める料理対決が行なわれる。
対決するのは2人の料理人。
料理人一族珍家の長男、珍鉄芯。
香港から来た料理界の鬼才、ヘンリー楊。
対決の主催者は皇宮菜館のオーナー呉連月。
審査するのは中華街の重鎮たち。
進行役は菜館給仕頭、林笈宣。
観客などはほとんどいない。
あらかじめ指定された料理のテーマは『排強抱偕』。
林笈宣が両者のリクエストした食材を運びこむ。
公平を期すためすべて菜館が用意した一般的な食材だ。
楊側の食材を見て鉄芯の顔色が変わる。
鉄芯は呉連月を見る。
しかし呉は黙って首をふる。
調理開始の合図の銅鑼が鳴る。
制限時間は2時間。
猛然と料理を作りはじめる両者。
やがて何皿もの料理が並んだところで時間切れ。
審査員たちに料理が運ばれる。
緊張の中、時間だけが静かに過ぎる。
林笈宣が各審査員の採点を集計する。
審査員長の王大人が立ち上がる。
「新しい料理長は珍鉄芯。」
呉連月と審査員たちが鉄芯を祝福する。
王大人が呆然とうなだれる楊の肩をやさしくたたく。
2人はそのまま退出し、王大人の車で帰っていった。
皇宮菜館の料理対決が終わってから1時間後、
菜館の従業員が死体を発見した。
死体は店の奥、従業員用ロッカーに押し込まれていて
死後4時間が経過していた。
「死んでいたのは・・・・。」
「あー言わなくてもわかるわ。」
玖里子は真琴の言葉をさえぎると読者のほうを向く。
「ふふふふふ。また登場できたわ。
もう出番はないのかと落ち込んでいたのよ。
じゃあここまで読んでくれたあなたに問題。
店の奥で死んでいたのは何者だかわかるかしら?
ヒントはね
料理対決に絶対いるべき人がいなかったの。」
「呉連月さんは父の古い友人で、
私たまたまその日に呉さんのお店へ遊びに行ったんです。」
「そしてあなたは料理対決の数少ない観客の1人になったのね。
対決を見ていて特に気がついた事はなかった?」
「ごめんなさい。私はお料理の事とか詳しくないんです。」
「ではあなたの見た事を話してください。」
中華街一の名店、皇宮菜館。
その料理長を決める料理対決が行なわれる。
対決するのは2人の料理人。
料理人一族珍家の長男、珍鉄芯。
香港から来た料理界の鬼才、ヘンリー楊。
対決の主催者は皇宮菜館のオーナー呉連月。
審査するのは中華街の重鎮たち。
進行役は菜館給仕頭、林笈宣。
観客などはほとんどいない。
あらかじめ指定された料理のテーマは『排強抱偕』。
林笈宣が両者のリクエストした食材を運びこむ。
公平を期すためすべて菜館が用意した一般的な食材だ。
楊側の食材を見て鉄芯の顔色が変わる。
鉄芯は呉連月を見る。
しかし呉は黙って首をふる。
調理開始の合図の銅鑼が鳴る。
制限時間は2時間。
猛然と料理を作りはじめる両者。
やがて何皿もの料理が並んだところで時間切れ。
審査員たちに料理が運ばれる。
緊張の中、時間だけが静かに過ぎる。
林笈宣が各審査員の採点を集計する。
審査員長の王大人が立ち上がる。
「新しい料理長は珍鉄芯。」
呉連月と審査員たちが鉄芯を祝福する。
王大人が呆然とうなだれる楊の肩をやさしくたたく。
2人はそのまま退出し、王大人の車で帰っていった。
皇宮菜館の料理対決が終わってから1時間後、
菜館の従業員が死体を発見した。
死体は店の奥、従業員用ロッカーに押し込まれていて
死後4時間が経過していた。
「死んでいたのは・・・・。」
「あー言わなくてもわかるわ。」
玖里子は真琴の言葉をさえぎると読者のほうを向く。
「ふふふふふ。また登場できたわ。
もう出番はないのかと落ち込んでいたのよ。
じゃあここまで読んでくれたあなたに問題。
店の奥で死んでいたのは何者だかわかるかしら?
ヒントはね
料理対決に絶対いるべき人がいなかったの。」