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防空壕の亡霊 JMその13 ≫No. 1
?永久駆動 2009/07/11 23:28囁き
防空壕の亡霊 (水時方玖里子の事件簿より)

「あの防空壕が頭を離れんのだ。
 連続殺人犯青砥琢馬がどうやって消えたのか
 この半年私が考えるのはそれだけだ。
 水時方さん。頼む私を助けてくれ。」
「杉浦警部。お役に立てるかわかりませんけど
 その防空壕に行ってみましょう。」

携帯もつながらない山奥にその防空壕跡はあった。
一番奥には旧日本軍の仮司令部があったという。
敗戦時、ここにいた軍人は軍の機密を守るため
全員自決した。その亡霊が今もさまよっているといわれ
地元の人間もここには絶対に近寄らない。

入り口
│ │
鉄柵
西 │ │ 東
│ │
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└─┐ B ┌─┘
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「私と石田刑事は青砥琢馬をこの防空壕に追い込んだ。
 中は暗く、足元は地下水でぬれていた。
 また防空壕の奥はコウモリの住処になっていた。
 私と石田は懐中電灯を頼りに
 慎重に周囲を調べながら奥に進んだ。
 この防空壕の地図を見てくれ。
 A地点で石田刑事を時計回りに進ませた。
 床・壁・天井を徹底的に調べるように命令した。
 私は逆回り、つまり西側へ進み、
 やはり徹底的に捜索した。
 1時間後B地点で私は石田刑事と再会した。
 石田は「誰もいませんでした。
     隠れる場所も抜け道もありません」と断言した。
 それは私も同じだった。
 そのまますれ違うようにして石田刑事には
 時計回りに捜索を続けさせた。
 私も東側を徹底的に調べた。
 やはり誰もいない。誰も隠れていない。
 隠れる場所も抜け道も無い。
 青砥琢馬がどこに消えたか全くわからない。
 4時間グルグル回ってから捜索を断念した。
 念のため鉄柵に鍵をかけ封印のシールを貼った。
 ほら、この封印だ。半年前からこの鉄柵は開けられていない。」

ここで次の12項は事実とします
1 青砥琢馬は確かにこの防空壕に入った
2 防空壕には図示された以外の出入口・通路はない
3 防空壕には人間が隠れられる場所はない
4 石田刑事は杉浦警部の命令を忠実に守る部下であり
  絶対に信用できる
5 石田刑事は青砥琢馬ではない
  青砥琢馬の協力者でもない 
6 誰かが石田刑事に変装しても
  杉浦警部にはすぐわかる
  石田刑事は本物だった
7 杉浦警部は青砥琢馬ではない
  青砥琢馬の協力者でもない
8 ここにいるのは本物の杉浦警部で
  事実しか話していない
9 鉄柵の封印は半年前
  杉浦警部が貼ったそのままだった
  鉄柵は半年間開けられていない
10 鉄柵を開けずに
  人が防空壕に出入りすることはできない
11 鉄柵の鍵は杉浦警部しか持っていない
12 青砥琢馬は普通の人間であり
  幽霊や妖怪などではない。

杉浦警部が鉄柵を開錠する音が響く。
少し錆びてはいるが今なお頑丈な鉄柵だ。
「警部。お待ちください。」
「どうしました?中に入らないのですか。」
玖里子は何かをじっと考える。
「ここは寒いですね。
 入り口のほうで座って待ちましょうか。」
「えっ????」
10分、20分、時間が過ぎる。
杉浦警部が何か言いかけた時、
鉄柵が静かに開いていく。
そして人目をうかがうように
柵のむこうからゆっくりと現われる人影。
玖里子と警部が立ち上がる。人影がそれに気付く。
黙ってにらみ合う玖里子と人影。
杉浦警部は驚愕する。
「こ、こんな事が。信じられん。」

問題 警部が驚いた真相とは?
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