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かりむ
2009/07/16 23:43
男につかまれた手をハッとして振り払おうとする女。
女「き、急になにをおしだい。放しとくれ!」
男「おめえの正体なんぞはなからお見通しさ。
首がなが〜く伸びる妖怪、ろくろ首だろう。」
女「やっぱり気づいていたんだね。
さあ、わかっているならその手をお放しよ!
だいたいなんで知っていながら・・・」
はっきりと正体を口にされ、さらにがっちりと手首をつかまれて
女は口惜しいやら恥ずかしいやら。
それを見てなぜか男はニヤニヤしております。
男「いやなに、久々にお仲間が見つかったと思ったら嬉しくなっちまってなぁ。」
女「お仲間ってまさか・・・」
男「そういうことさ。おいらもほれ」
男は自分の首をつるりとひと撫ですると、するすると伸ばして見せました。
それを見た女の驚くまいことか。
女「そんなそんな・・・なんで今まで黙って・・・」
男「あっはっは。そんな顔すんない。
おめえの隠しようが可笑しくて、ついお遊びがすぎちまったのさ。」
女「いやだねえもう、憎らしいひとっ。」
男「いてててっ!首はやめてくれ、首根っこは!」
女「ふふ、ちょいと意趣返しさね。」
そうして初手からの思惑通り、あとはしっぽり闇の中・・・。
このあやかし達が好んだ行灯の灯りも
だんだんと消え去ろうかという明治の頃のお話。
果たしてどちらが化けたのやら化かされたのやら。
そんなあやかしの恋の一幕、これにて締めとさせていただきますm(__)m
かりむ 2009/07/16 23:43
男につかまれた手をハッとして振り払おうとする女。
女「き、急になにをおしだい。放しとくれ!」
男「おめえの正体なんぞはなからお見通しさ。
首がなが〜く伸びる妖怪、ろくろ首だろう。」
女「やっぱり気づいていたんだね。
さあ、わかっているならその手をお放しよ!
だいたいなんで知っていながら・・・」
はっきりと正体を口にされ、さらにがっちりと手首をつかまれて
女は口惜しいやら恥ずかしいやら。
それを見てなぜか男はニヤニヤしております。
男「いやなに、久々にお仲間が見つかったと思ったら嬉しくなっちまってなぁ。」
女「お仲間ってまさか・・・」
男「そういうことさ。おいらもほれ」
男は自分の首をつるりとひと撫ですると、するすると伸ばして見せました。
それを見た女の驚くまいことか。
女「そんなそんな・・・なんで今まで黙って・・・」
男「あっはっは。そんな顔すんない。
おめえの隠しようが可笑しくて、ついお遊びがすぎちまったのさ。」
女「いやだねえもう、憎らしいひとっ。」
男「いてててっ!首はやめてくれ、首根っこは!」
女「ふふ、ちょいと意趣返しさね。」
そうして初手からの思惑通り、あとはしっぽり闇の中・・・。
このあやかし達が好んだ行灯の灯りも
だんだんと消え去ろうかという明治の頃のお話。
果たしてどちらが化けたのやら化かされたのやら。
そんなあやかしの恋の一幕、これにて締めとさせていただきますm(__)m