No. 8≫ No.9 ≫No. 10
nn)/
2009/07/16 14:05
fyhさんの投稿以降,5日以上経ちました.
投稿予定の方には申し訳ありませんが,解答を公開します.
(1) 一般に m≧0, m'>0, n>0, n'>0, m/n < m'/n' ならば,mn' < m'n であり,
(m+m')/(n+n') = (mn' + m'n')/((n+n') n') < (m'n + m'n')/((n+n') n')
= m'(n +n')/((n+n') n') = m'/n'.
(m+m')/(n+n') = (mn + m'n)/((n+n') n) > (mn + mn')/((n+n') n)
= m(n +n')/((n+n') n) = m/n.
である.よって, m/n < (m+m')/(n+n') < m'/n' と,分母・分子同士の加算で
作られた分数は,元の2つの分数の間の値を持つ.したがって,最初の2分数が
0/1 < 1/1 であるから,この過程で作られるすべての分数は,その値の順に並ぶ.
(2) 分数を作る各過程 (すなわち各行で) で隣り合う分数を m/n < m'/n' とする
とき,常に m'n - mn' = 1 (*) が成立することを示す.
まず, m = 0, m' = n = n' = 1 のとき, 明らかに (*) が成り立つ.
次に, (*) が成り立つと仮定して, m"= m+m', n"= n+n' とすると,
(1) から m/n < m"/n" < m'/n' であり,
m"n - mn" = (m+m')n - m(n+n') = m'n - mn' = 1,
m'n"- m"n'= m'(n+n') - (m+m')n' = m'n - mn' = 1
より,新たに生成した分数列についても (*) が成立する.よって,帰納法により,
全ての段階で (*) が成り立つ.
(*) の左辺は m と n の最大公約数の倍数であるが,右辺が1であることから,
その最大公約数は1でなければならない.m' と n' についても同様である.
したがって,m/n および m'/n' は既約分数である.
(3) 隣り合う分数を m/n < m'/n' とし, m/n < a/b < m'/n' ならば,
an - bm ≧ 1, bm' - an' ≧ 1 であるから,
(m'+n')(an - bm) + (m+n)(bm' - an') ≧ m'+n'+m+n.
この左辺は
(m'+n')(an - bm) + (m+n)(bm' - an') = (a+b)(m'n - mn') = a + b
であるから, a + b ≧ m'+n'+m+n が成り立つ.
もし,ずっと a/b = m"/n" とならなければ,挟む2分数は m/n と m"/n" の組,
または,m"/n" と m'/n' の組に変わり,
(m"+n")+(m+n) ≧ m'+n'+m+n+1, (m'+n')+(m"+n")≧ m'+n'+m+n+2,
であるから,間の分数生成を繰り返すと,やがて a + b ≧ m'+n'+m+n が成立しな
くなる.これは矛盾であるから,a+b 回未満の繰り返しで,必ず a/b が現れる.
nn)/ 2009/07/16 14:05
fyhさんの投稿以降,5日以上経ちました.
投稿予定の方には申し訳ありませんが,解答を公開します.
(1) 一般に m≧0, m'>0, n>0, n'>0, m/n < m'/n' ならば,mn' < m'n であり,
(m+m')/(n+n') = (mn' + m'n')/((n+n') n') < (m'n + m'n')/((n+n') n')
= m'(n +n')/((n+n') n') = m'/n'.
(m+m')/(n+n') = (mn + m'n)/((n+n') n) > (mn + mn')/((n+n') n)
= m(n +n')/((n+n') n) = m/n.
である.よって, m/n < (m+m')/(n+n') < m'/n' と,分母・分子同士の加算で
作られた分数は,元の2つの分数の間の値を持つ.したがって,最初の2分数が
0/1 < 1/1 であるから,この過程で作られるすべての分数は,その値の順に並ぶ.
(2) 分数を作る各過程 (すなわち各行で) で隣り合う分数を m/n < m'/n' とする
とき,常に m'n - mn' = 1 (*) が成立することを示す.
まず, m = 0, m' = n = n' = 1 のとき, 明らかに (*) が成り立つ.
次に, (*) が成り立つと仮定して, m"= m+m', n"= n+n' とすると,
(1) から m/n < m"/n" < m'/n' であり,
m"n - mn" = (m+m')n - m(n+n') = m'n - mn' = 1,
m'n"- m"n'= m'(n+n') - (m+m')n' = m'n - mn' = 1
より,新たに生成した分数列についても (*) が成立する.よって,帰納法により,
全ての段階で (*) が成り立つ.
(*) の左辺は m と n の最大公約数の倍数であるが,右辺が1であることから,
その最大公約数は1でなければならない.m' と n' についても同様である.
したがって,m/n および m'/n' は既約分数である.
(3) 隣り合う分数を m/n < m'/n' とし, m/n < a/b < m'/n' ならば,
an - bm ≧ 1, bm' - an' ≧ 1 であるから,
(m'+n')(an - bm) + (m+n)(bm' - an') ≧ m'+n'+m+n.
この左辺は
(m'+n')(an - bm) + (m+n)(bm' - an') = (a+b)(m'n - mn') = a + b
であるから, a + b ≧ m'+n'+m+n が成り立つ.
もし,ずっと a/b = m"/n" とならなければ,挟む2分数は m/n と m"/n" の組,
または,m"/n" と m'/n' の組に変わり,
(m"+n")+(m+n) ≧ m'+n'+m+n+1, (m'+n')+(m"+n")≧ m'+n'+m+n+2,
であるから,間の分数生成を繰り返すと,やがて a + b ≧ m'+n'+m+n が成立しな
くなる.これは矛盾であるから,a+b 回未満の繰り返しで,必ず a/b が現れる.