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nn)/
2009/06/26 00:22
用意した解答例もご覧ください.できるだけ中学生にも分かるように書いたつもりです.以後,補足説明です.
もともとの問題は,素数 p と合成数 (素数でない数) m に対して,整数 q = (p^m - 1)/(p - 1) が素数でないことを示すものです.
一般に整数 n について, x^n - 1 = (x - 1)(x^(n-1) + x^(n-2) + ... + x + 1) ですから, x = p, n = m とした q は整数です.
合成数 m = r s (r, s は整数) とすれば, q = ((p^r)^s - 1)/(p - 1) = ((p^s)^r - 1)/(p - 1) と書けます.
つまり, x = p^r, n = s または x = p^s, n = r とおくことにより,
q が 2 つの整数 (p^r - 1)/(p - 1) および (p^s - 1)/(p - 1) で割りきれることが分かるでしょう.
ですから,(おまけ) の答としては,ぜひ (7^7 - 1)/2, (7^11 - 1)/2 を書いて欲しかった訳です.
ただし,m が合成数でなく素数であっても, q が素数になるとは限りません.
特に p = 2 の場合を調べると, 2^2 - 1 = 3, 2^3 - 1 = 7, 2^5 - 1 = 31, 2^7 - 1 = 127 までは素数になりますが,
2^11 - 1 = 2047 = 23x89 で合成数です. 以後, m = 13, 17, 19 に対しては素数になりますが,
その後は,神が与えた素数と言われる 2^31 - 1 = 2147483647 まで合成数が続き,
その次はやっと m = 61 に対して素数になります.
(1) 7^77 を 7 = 4 + 3 = 8 - 1 = 6 + 1 として二項展開するか, 4 または 6 で割った余り (剰余) を考えればよく,
どちらも本質的に同じ趣旨といえるでしょう.用意した解答例は 7 = 8 - 1 または 7 ≡ -1 (mod 4) に対応します.
皆様の解答に,これらの分解が全て出てきたのには感動しました.
特に 4 + 3 の二項展開は (2) にもうまく使えるのが,p = 7 とした面白さのひとつで,これも出していただきました.
ただ,最初の REE さんの解答には意表をつかれました.いろいろなやり方があるものですね.
(2) もともと 7 - 1 = 6 で割るところを 2 で割っていますから,上の説明より 3 の倍数になるのは明らかです.
それでも (1) があったせいか,7^n - 1 が 6 で割れることに気づいた方は (おまけ) まで行ったおふたりで,
そこに気づけば (おまけ) もできる道理です.ただ, 6 で割ると最小の約数は 29 ですから,
それを偶然見つける可能性は小さいですし, x^n - 1 の因数分解は中学生向きでなく思い,易しくしました.
用意した解答例は, 7 = 6 + 1 または 7 ≡ 1 (mod 3) とすることを通じて解を得ることに対応します.
皆様のおかげで,思っていたよりずっと楽しい経験をさせていただきました.ご参加ありがとうございました.
nn)/ 2009/06/26 00:22
もともとの問題は,素数 p と合成数 (素数でない数) m に対して,整数 q = (p^m - 1)/(p - 1) が素数でないことを示すものです.
一般に整数 n について, x^n - 1 = (x - 1)(x^(n-1) + x^(n-2) + ... + x + 1) ですから, x = p, n = m とした q は整数です.
合成数 m = r s (r, s は整数) とすれば, q = ((p^r)^s - 1)/(p - 1) = ((p^s)^r - 1)/(p - 1) と書けます.
つまり, x = p^r, n = s または x = p^s, n = r とおくことにより,
q が 2 つの整数 (p^r - 1)/(p - 1) および (p^s - 1)/(p - 1) で割りきれることが分かるでしょう.
ですから,(おまけ) の答としては,ぜひ (7^7 - 1)/2, (7^11 - 1)/2 を書いて欲しかった訳です.
ただし,m が合成数でなく素数であっても, q が素数になるとは限りません.
特に p = 2 の場合を調べると, 2^2 - 1 = 3, 2^3 - 1 = 7, 2^5 - 1 = 31, 2^7 - 1 = 127 までは素数になりますが,
2^11 - 1 = 2047 = 23x89 で合成数です. 以後, m = 13, 17, 19 に対しては素数になりますが,
その後は,神が与えた素数と言われる 2^31 - 1 = 2147483647 まで合成数が続き,
その次はやっと m = 61 に対して素数になります.
(1) 7^77 を 7 = 4 + 3 = 8 - 1 = 6 + 1 として二項展開するか, 4 または 6 で割った余り (剰余) を考えればよく,
どちらも本質的に同じ趣旨といえるでしょう.用意した解答例は 7 = 8 - 1 または 7 ≡ -1 (mod 4) に対応します.
皆様の解答に,これらの分解が全て出てきたのには感動しました.
特に 4 + 3 の二項展開は (2) にもうまく使えるのが,p = 7 とした面白さのひとつで,これも出していただきました.
ただ,最初の REE さんの解答には意表をつかれました.いろいろなやり方があるものですね.
(2) もともと 7 - 1 = 6 で割るところを 2 で割っていますから,上の説明より 3 の倍数になるのは明らかです.
それでも (1) があったせいか,7^n - 1 が 6 で割れることに気づいた方は (おまけ) まで行ったおふたりで,
そこに気づけば (おまけ) もできる道理です.ただ, 6 で割ると最小の約数は 29 ですから,
それを偶然見つける可能性は小さいですし, x^n - 1 の因数分解は中学生向きでなく思い,易しくしました.
用意した解答例は, 7 = 6 + 1 または 7 ≡ 1 (mod 3) とすることを通じて解を得ることに対応します.
皆様のおかげで,思っていたよりずっと楽しい経験をさせていただきました.ご参加ありがとうございました.