クイズ大陸



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?いはら 2009/06/22 17:43
X-Y座標平面を考え、直方体の展開図の一部を書き込みます。
床として、(-5,5),(-5,-5),(5,-5),(5,5)を頂点とする正方形を書きます。
正方形の中心は原点Oです。
側面の一つとして、(-5,25),(-5,5),(5,5),(5,25)を頂点とする長方形を書きます。
天井として、(-5,35),(-5,25),(5,25),(5,35)を頂点とする正方形を書きます。

蜘蛛の位置として床の正方形内に点Pをとります。
蟻の位置として天井の正方形内に点Qをとります。
天井の中心(0,30)をO'とします。

ベクトルOPをp、ベクトルO'Qをqで表すことにします。
さらにベクトル(x,y)を複素数x+yiと同一視します。
OQ=OO'+O'Q=q+30i
です。

この図に(5,25),(5,5),(15,5),(15,25)を頂点とする側面を書き加えます。
この側面に隣接するように床面を書き加えると、
その頂点は、(5,5),(-5,5),(15,-5),(15,5)
これは最初に書いた床の正方形を点(5,5)の周りに90度回転させたものになります。
原点を中心とした90度の回転はiを掛けるのと同じですので、
i(p-(5+5i))+5+5i=ip+10
がPの位置に対応します。
次の側面について考えると、Pの位置は-ip+20となります。
以下同様に考えていくと、一般に整数mを使って
P(m)=(i^m)p+10m
と表せることが分かります。

天井については、点(5,25)を中心に-90度回転させたものになります。
原点を中心とした-90度の回転は-iを掛けることに相当します。
よってQの位置は、
-i(q+30i-5-25i)+5+25i=-iq+5+5i+5+25i=-iq+10+30i
一般に整数nを使って、
Q(n)=((-i)^n)q+10n+30i
と書けます。

P(m),Q(n)間の距離は、
|(i^m)p+10(m-n)-((-i)^n)q+30i|=|(i^m)p+10(m-n)-30i-(i^(-n))q|
この距離はP(m),Q(n)を原点の周りに同じ角度だけ回転させても変わりません。
よってi^nを掛けても距離は変わらず、
|(i^m)p+10(m-n)-30i-(i^(-n))q|
 =i^n|(i^m)p+10(m-n)-30i-(i^(-n))q|=|(i^(m+n))p+10(m-n)i^n-30i^(n+1)-q|
と等しくなります。
つまり、Q'から(i^(m+n))p+10(m-n)i^n-30i^(n+1)で表される点までの距離に等しいことになります。
(Q'はOQ'=O'Qとなるようにとった点であり、床の正方形内の点になります)

|m-n|<3のときのみを調べれば十分で、|m-n|=0,1,2のそれぞれに対して4つの点が考えられます。
<tt>
m-n=0のとき 
  p-30i 
 -p+30 
  p+30i 
 -p-30 
m-n=1のとき  m-n=-1のとき
  ip+10-30i  ip+30-10i
 -ip+30+10i  -ip+10+30i
  ip-10+30i  ip-30+10i
 -ip-30-10i  -ip-10-30i
m-n=2のとき  m-n=-2のとき
 -p+20-30i  -p+20+30i
  p+30+20i   p-30+20i
 -p-20+30i  -p-20-30i
  p-30-20i   p+30-20i</tt>

Pに応じて、上記20個の点が決まります。
その20個の点からの距離がすべて20√(4−√3)より大きくなるような点が正方形内にないことを示せば、20√(4−√3)が最大値であることが証明できます。
つまり、どのようにP,Qを選んでも、Q'からの距離が20√(4−√3)以下となる点が上記20個の中に少なくとも一つあることを示せばよいのです。
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