クイズ大陸



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見えるか見えぬか・・・ ≫No. 1
?つのだくん 2009/04/05 12:32囁き
(注&ヒント・固有名詞は空想のものですが、推理に必要な単語に空想のものはありません。)

 ここはアフリカの小国・オウルネスト。昨年独立宣言をしてヒルランド公国からの独立ができたと思われたが、突然のヒルランド公国からの宣戦布告によって戦争が勃発した。オウルネストは半径百キロほどの円形の領土を独立時に手に入れたが、その周り全てがヒルランド公国から囲まれる形となっている。戦争が長引くとこの国は侵略をされかねないと判断したオウルネストの議会は、優秀な科学者を先進国から極秘に招き、ある防衛システムを作った。内容はまったく知らされていないが、このシステムのおかげでヒルランド公国は爆撃ができなくなり、両国はとりあえず停戦をした。これは、その戦争が再び始まる前の話である。

 「で、このシステムを僕にあばけと?」
「そういうことじゃの。」
調査のために呼ばれた探偵、渡辺牧人はヒルランド公国の首相と話をしている。牧人は若く、まだ20代だが、首相のほうはすでに70歳を越すぐらいのおじいさんだ。
「不思議なことはそれだけじゃない。世界でも最新鋭の、わが国のステルス機がどうしても撃墜されるのじゃ。」
「え?それは本当ですか!?」
ステルス機とは、電波を吸収、または別方向に反射することでレーダーから姿を消すことができる、最新の飛行機だ。
「そうなんじゃ。わが国も不思議に思って、スパイ衛星で上空から監視を行ってみた。しかし、疑問は増えるばかりだった。」
「何か他にも疑問が?」
「ああ。航空写真だと、円形の国が夜間は何重もの円の形に光り輝くのじゃ。・・・まるで自国の勝利を確信しているかのごとく。」
「はあ、そうなんですか。ところで、その光の線は太かったですか?」
牧人は突然質問した。
「ええ?ああ、そういえば、光の線はとても太かったそうじゃ。でも、それが何か?」
「そうですね。思い当たることがあるので、すぐに実験をしてみましょう。」

 後日、10機の小型ラジコンがオウルネストに向けて四方八方から飛ばされた。オウルネストは国境が高い塀に囲まれていて、その塀が光っているのだという。しかし、国境付近には人はほとんどいなく、95パーセント以上の人が中心部の首都に集まっているのだそうだ。そこで、この10機のうち何機が首都まで打ち落とされずに行けれるかを調べた。夜中に塀を越すようにしたので、計算上昼ごろには首都に着くと出た。これが普通の飛行機だったら中心部にたどり着く前に打ち落とされるのだそうだ。ヒルランド公国議会の全員は、「首都にたどり着くのは0機」と判断した。すると、確かに首都にたどり着くものはなかった。全てが打ち落とされてしまったのだ。しかし、
「なかなかいいデータがとれましたよ。」
データを見て牧人はそう言った。
「どういうことだ?渡辺探偵!」
首相は牧人に尋ねた。
「いやあ、結構単純なトリックでしたね。これは、科学者を呼び集めた理由がわかりましたよ。もちろん、ステルス機が落とされる理由もね。」
さて、なぜ牧人はこのトリックがわかったのだろうか?
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