この問題はＱ５２６→http://quiz-tairiku.com/suiri/quiz6.cgi?mode=view&no=26
の続きです。
読まなくても解けるとは思いますが、目を通された方が問題をスムーズに読めるかと思います。

では本題です。
プルルルル。
「はい、早とちり。あー、蜂部君か。佐藤を捕まえた？そりゃよかった。・・・え？容疑者が増えた？！どういうことだ？・・・・うん・・・・うん・・・（手帳に何か色々メモしながら）わかった。火間さんに相談してみる。」
ピッ。

「火間さ〜ん・・・」
「わかったわかった。泣きそうな声出すな。で、容疑者が増えたってどういうことだ？佐藤は捕まえたんだろ？」
「ええ、佐藤仁を問い詰めた所容疑を認めたそうなのですが、どうやら佐藤仁の父親、佐藤丈も自首をしてきたそうなんです。」
「ふーん・・・犯人が二人・・・？事件のあらましから聞きたいね。」

「（パラパラと手帳をめくって）被害者、知臣了（チオミ　リョウ）は自宅の和室で殺されていました。我々が到着した時には、机に突っ伏すようにしていました。畳には血が飛び散って凄惨な現場でしたね。凶器はガラス製の灰皿。後頭部への一撃が致命傷となったようです。発見者は知臣宅のお手伝いさんの梶好代（カジスキヨ）。青いシャツ、ジーパンに真っ白なエプロンをして、髪がロングで色白で手も綺麗で・・かわいい子でしたよ。（デレッ。）」
「（ハァ。）君の好みはどうでもいいよ。で、犯人を見てないのかい？」
「はい。目撃してますね。以下目撃証言です。」

『お庭を掃除しようとしたら和室から年配の男性の方が飛び出していきまして靴を手に持って逃げていきました。吃驚して和室を覗いたら知臣さんが仰向けに倒れていて・・・、急いで中に入って頭を抱え起こして、声をかけてみたのですがグニャッと机に・・・脈も無かったので警察にお電話しました。そしたら力が抜けてしまって警察の方々が来るまでへたり込んでました。え？その年配の男性ですか？白いワイシャツに紺のスラックスの４０才位の方でした。あとはよく覚えてません。いきなりの出来事で・・。お客様が来たかどうか、ですか？来たようですが知臣さんが対応していたようなので誰かは見てませんが多分その逃げていった方ではないかと・・。』

「ちなみに後でマジックミラー越しに面通しをして佐藤丈の方だと思う、と証言しています。」
「で、佐藤仁を逮捕したのと丈の自首はどちらが先なの？佐藤親子は何て言ってるの？」

「父親の丈が先ですね。知臣宅を出てからその足で警察に来て自首したそうです。目撃されて逃げられないと思ったそうです。そのあと、蜂部君が自宅周辺を探し回って公園で呆然としている仁を発見したそうです。ではまず、息子の仁の自白内容から。」

『知臣に呼び出された時間よりも30分早めに知臣の家に行き、和室に通されました。テーブルを挟んで知臣と向かい合わせに座りました。私は払う金がないので待って貰おうとしたんです。ところが奴は＜お前には婚約者がいたよな？その彼女に事情を話して立て替えてもらおうか？＞とニヤニヤしながら言ってきたんです。彼女に話されたら婚約破棄されてしまう・・・。そう思った瞬間カーッとなって、目の前の灰皿で奴を殴ったんです。いきなりでびっくりしたんでしょう。抵抗もなく後ろに仰向けにひっくり返りました。それで怖くなって逃げたんです。え？おやじが自首してる？・・・多分、私をかばってるのでしょう・・。私がやったんです。・・・』

「次が父親、丈の自白内容です。」

『私がやりました・・。息子が恐喝されてるのは電話を盗み聞きして知っていました。息子が呼び出されたのも知っていたので先回りして知臣の家に行きました。息子の代わりに来た、と言ったら和室に通されました。机に向かい合わせに座って、何とか強請りをやめてくれるように話し合ったのですが、埒もあかず仕方なく机にあった灰皿で殴りました。奴は予想外だったようで、驚いた顔のまま倒れました・・・。』

「なるほどね。ところで灰皿の指紋はあったの？」
「ええ。佐藤丈の右手の指紋がついてました。」
「うんうん。そうだろうね。」
「え？！火間さん、もしかしてわかっちゃったんですか・・・？」
「ああ、たぶん、ね。」

さて、皆さんはお分かりになりますか？

注、この事件は、昼12時殺害で、18時のお話になってます。
（言葉足らずで大変失礼致しました。
18時のお話＝火間探偵に早とちり君が助けを求めに行った時間です。（しかも正確には18時半でしたね。 ）
発覚はもっと早いです。死後硬直に詳しくないのですが、12時40分位ならまだ始まってないかな？
とりあえずそれほど時間は経っていない、という事でお願いします。<(＿)>3/30追記）
なぜ父親の自首を早とちり君や蜂部刑事が知らなかったかは「警察内の連絡ミス」ということで・・
本当は続編を作る予定ではなかったからですが。