今日も暇な事務所の中でT探偵は落花生を頬張り
ぼ〜としていた。

T「おや？落花生は品切れですか…後で買いにいかないと。」

机の上にはテレビのリモコンと電話機、そして落花生の
ゴミの山になったお皿、そして電話の用件を書き留めるための
切り取るタイプのメモとボールペン。
後は空になったコップが置いてある。
ちなみにリモコンの電池は切れていて今は使えない。大きい
事務所ではないのでリモコンがなくても直接操作すれば事足りたので
特に不便は感じていない。

T「こうやって考えると結構買う必要があるのが
多そうですね。後で買い物に行くとしますか。」

一応助手、というものがいたがこの不景気な事務所を
なんとかしたいから武者修業に行くといって出ていってしまってはや一年。

たまにメールが来るがどうやら今は海外にいるらしい…

T「あれはいつも私の予想の斜め上を行きますね…」

そういうわけで買い出しやら何やらいつも１人でこなしてる
わけだが…まぁ暇なので別に問題はないか。

事務所に電話の音が流れる。久々の依頼だろうか？
公衆電話からかかってきた電話をT探偵はとりあげる。
電話を取ると相手は名を名乗り用件を話した。

女「すいません。私は三奈岸奈美子(みなぎしなみこ)と
申しますが実は相談に乗っていただきたい事があってお電話しました。
依頼の内容に関しては電話ではなんなので直接あってお話したいです。」

T「わかりました。今からこちらにいらっしゃると言う事で？」

三奈岸「いえ、事務所の方に伺って誰かに見られると困るので
待ち合わせをしたいのですが…場所はホタルという喫茶店で
いかがでしょうか？」

T「わかりました。それほど遠くないので構いませんよ。
何時にしましょうか？」

T探偵はメモをとりながら対応する。

三奈岸「なるべく早くお願いします。」

T「そうですか、では今から伺いますので20分くらいで
行けると思います。」

三奈岸「それでいいです。何かありましたら090-…に
お電話お願いします。」

T(え〜090の…ありゃ書けなくなってしまいましたね…
インクが切れてしまったかな？
ボールペンも買い足す必要がありますね。)

メモを切り取りゴミ箱に捨てる。ボールペンも
ポケットに入れる。仕方がないのでTは自分の携帯に書き込み電話を切った。

T「さて、ついでなんで買い物もすませときますか。
落花生に電池にボールペンくらいかな？」

戸締まりをしてT探偵はホタルへ向かった。
ホタルに着くと店外から中を覗き女性客は見当たらない。
机にも何もないのでトイレという事でもなさそうだ。

T「まだいないようですね。先に買い物をすませましょう。」

10分程かかり買い物を終わらせると携帯に連絡するが
現在使われておりませんのアナウンス。

T「…いたずらでしたか。仕方ない、帰りましょう。」

家に帰り鍵をあけて入ると荷物を置く。出ていった時と変わらない
ままの寂しい事務所。そしてリモコンに電池を入れ使えるか確認。
真っ白で綺麗なメモの上にボールペンを置く。
山になった落花生のゴミを捨て、落花生を補充するとT探偵は
再び外出する。

少しして携帯で電話をかける。

T「あ、警部ですか？どうやら私はミスを犯してしまった
ようです…」

一体どうしたというのか？

この問題は前回の依頼者は将棋好き？からの続きとなりますので
前作を一通り見てから考えて下さい。