「あやぽんさん！何でこんなことしちゃったんですか！」
「だーかーらー！あたしは何もしてないって言ってるでしょ！」
「目撃者もいるんですよ。あやぽんさんがやったって。」
「そりゃあいつの京都のＫＹＯさんなんだから当たり前でしょ！早とちり君もちょっとは頭使いなさいよ!」

こんにちは。あやぽんです。いま取調べを受けてます。（ぐすん。）罪状は暴行罪。
被害者（とされているの）は昔、あたしが鯛を物干しにかけた詐欺常習犯の大鷺　理人。目撃者はその手下、小阪　椎蔵。
事の起こりは一本の電話だった・・・ポワンポワンポワポワワワ〜（回想シーンに移行する音ね。）

「あやぽんさん。先日出所しました大鷺です。お蔭様で堅気の世界で暮らす決意が出来ました。つきましてはご相談したい事がありますので明日、朝１０時ごろ喫茶店『アーサー』に来ていただけませんか？」
「西洋菓子終了おめでとう。電話じゃいえないことかしら？コーラを口から出すのはお断りよ。」

ＡＭ１０時　喫茶店アーサー
「あ〜、あやぽんさんこっちです。」
と小阪に案内されたのは奥の座席。カウンターから遠く、死角になっている。
既に大鷺も席についている。
３人とも珈琲を頼み直ぐにマスターが持ってきた。こんなに早いのはたぶん離れ業の中、なのだろう。
「で、話って何?」
「なーに。あんたのせいでこっちは何年も刑務所暮らしをしたんだ。そのお礼をしなくちゃな、と思ってね。あんたの周りの人に不幸が起こらんよう祈っておくんだな。」
「な、何言ってるの？！大鷺！」
とあたしが声を荒げたその時。いきなり大鷺がテーブルをちゃぶ台返しの要領でひっくり返した。ステンレス製のテーブルが派手な音を立てて転がり、珈琲カップも床に転がり、割れた。そして、大鷺がいきなり壁に自らの後頭部を激しく打ちつけ、叫ぶ。
「いってぇなぁ！なにするんだ！マスター！１１０番してくれ!」
追随するように小阪も叫ぶ。
「警察の人間が暴力を振るってもいいのか!何て奴だ!」
私が口を挟む間も無く騒ぎ続ける二人。どうやら珈琲を入れるのも早いマスターは警察を呼ぶのも早かったようで、すぐにパトカーがやってきた・・・。
ぽわんぽわんぽわんぽわわわ〜ん。（今度は現実に戻る音ね。）
「ということよ、早とちり君。わかった？」
「彼らは『ちょっとジョークのつもりでからかったら、あの刑事が本気で怒ってテーブルを倒した。その剣幕に怖くなって逃げようと立ち上がったところ、胸を小突かれて後頭部を壁にうった。』と言ってますよ。マスターは遠かったからあやぽんさんの怒鳴り声以降の騒ぎしか聞こえなかったらしいです。状況的にはおかしな点が見当たらないし・・」
「嘘よ!じゃあ、鑑識のｈide君連れて現場に行きましょうよ。明かりをするから。」
「ん〜、まぁそこまで言うなら・・。でももう机も元に戻して机の上もこぼれたコーヒーごと拭いて、割れたカップも捨ててしまったらしいですよ。」
「大丈夫。それだけならまだ望みはあるわ。」

さて問題です。あたしはどこの何を調べようとしているのでしょうか?
駄洒落も探してみてね。 発表は御一人様一つでお願いします。