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ヒント知らないよ
このクイズの参加者(21人)
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ワインの色
難易度:★★★
空蝉 2013/04/27 22:34 「ここに三種類のワインがある」純白のテーブルクロスの上に起立した三本のワインボトル。窓からは夕日の光が部屋いっぱいに注ぎ込み、雰囲気際立つ空気の中、男と私は対峙していた。軽やかな口調で男は言う。「赤ワイン、白ワイン、そして青ワインだ」
「青ワイン?」思わず私は訊ねた。青ワインなんて聞いたこともない。 「青ワインと称されるものは実際に出回っているが、ここにある青ワインは、私特製の青汁ワインだ。製法は簡単。青汁にアルコールを入れるだけ。実にシンプル。家庭でも出来るぜ」 「飲欲をそそられる心配のなさそうな代物だな」 「まあ、そう言うな。一杯、試してみたまえ」 「遠慮しておく」私は言った。「この歳で酒に失望を覚えるつもりはない」 「せっかく作ったんだ!さっさと飲みたまえ!」勝手に機嫌を損ねた男は、ワインボトルを私に突き付けた。 「いらないと言っているだろう。くだらん自己満足に他人を巻き込むんじゃない」私は男の手を払いのけ、赤ワインを手に取った。<utsusemi-special2013>。グラスに注ぎ、飲む。芳醇な香りと、程よい苦みが、口から鼻へ突き抜ける。続いては、白ワインだ。<white-wine>・・・・・・。これもグラスに注ぎ、飲む。ネーミングに芸がないわりに、美味い。 そして、問題の青ワインは、まるで視界に入らないが如く、無視。 「うまかった。ごちそうさん。ただし、青はのぞく」 「貴様、意地でも青を飲まんつもりか・・・・・・。ふん、ではこうしよう。ちょっと待ってろよ」そう言うと、男は三本のワインボトルを抱え、どこかへ行ってしまった。そして30分後、戻ってきた。今度は、真っ黒なボトルを三本抱えている。「はあっ・・・・・・はあっ・・・・・・。さっきのボトルを黒のビニールテープでグルグル巻きにしてきたぞ。で・・・・・・」 「一本あたり10分、といったところか。ご苦労なことだな」 「いいから聞け!これでどのボトルが赤・白・青ワインか分かるまい。そこでだ、テープを剥がしたり、中身を開けたり、味見したりすることなく、それぞれどのボトルに赤・白・青のワインが入っているか当てられたら、青ワインを飲むことを免除してやるぜ。もし外せば、青ワインを飲まなければならないのに加えて、青汁10年分をプレゼントだ」男は息を乱しつつも得意顔で、ボトルをテーブルの上に置いた。 やはり、こんなことだろうと思った。私はこの展開を読んでいた。 私は軽く首を振り、ため息をつくと、一本一本手に取って、順繰りに眺めまわした後、言った。「右から順に赤・青・白、だな」 「いいんだな?じゃあ、正解かどうか、グラスに注いでみるぜ」 トクトクトク・・・・・・。トクトクトク・・・・・・。トクトクトク・・・・・・。 「あ・・・・・・当たっている・・・・・・」 「もちろん、偶然じゃないぜ」 なぜ「私」はワインの色を正確に当てることができたのだろう?
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