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ビン・ボウ警部補の事件録・21『手紙の謎』
難易度:★★  
?空蝉 2013/01/20 00:54
 「それにしても、事件が無事解決して良かったですねえ、ビン・ボウ警部補」中・流刑事は、すぐ前を歩くビン・ボウ警部補に朗らかに語りかけた。「まさか、手紙師のリジーさんを殺したのが、オーナーではなく、他の手紙師の一人だったとはね」
 『手紙工房』での事件から一日明けて、事件を担当した三人の捜査員、ビン・ボウ警部補、中・流刑事、そして利子刑事は、帰りの坂を下っていた。
 「しかし、今回の解決は早かったですねえ」中・流刑事の隣を歩く利子刑事が言った。「オーナーの嘘を見破るや否や、ビン・ボウ警部補はすぐに他の手紙師の一人を犯人だと指摘した。で、その犯人は、その根拠を聞く前に、犯行を認めたのですから・・・・・・」
 「そうですね」中・流刑事が言った。「でも、ビン・ボウ警部補、どうして犯人が他の手紙師だと分かったのですか?」
 中・流刑事のこの言葉に、ビン・ボウ警部補の心の中で、撃鉄のようなものがカチリと音を発てた。
 ――今こそ報復のチャンスだ!
 ビン・ボウ警部補の首が、ゆっくりと後方の中・流刑事へと回った。その双眸はかすかに細められ、挑戦的な気配を孕んでいる。
 「ふふん。まさか、分からないのかね、中・流刑事」ビン・ボウ警部補の相手を小馬鹿にするような口調が、中・流刑事に飛んだ。「まさか、こんな簡単なことがわからないなんてこと、ないよなぁ・・・・・・。長年刑事やってるんだもんなぁ・・・・・・。飯だって、ちゃんと一日三食食ってるんだもんなあ・・・・・・」
 「え・・・・・・い、いやだなあ、ビン・ボウ警部補・・・・・・。分からないなんてこと、ないじゃないですか」
 「でも、君は今、分からないと言った」
 「冗談ですよ。はは」
 「では、冗談ついでに、君の推理を披露してもらおうか」
 ――これは復讐だ。
 中・流刑事は悟った。
 長期に渡り自分の行ってきた、ビン・ボウ警部補への皮肉に対する復讐だ・・・・・・。
 「何黙っているんだい?分からないなら分からないと、素直に言うがいいよ。くっく・・・・・・」ビン・ボウ警部補の言葉使いは、普段からは想像できない、執拗に絡みつくものと化していた。「まあ、分からないとなれば問題だよなあ、新人じゃあるまいしなぁ」
 ビン・ボウ警部補の言葉の縄が、中・流刑事の首を絞めつけていく。「さあ、早く言ったらどうだい?『ごめんなさい、分かりません。そして、こんな簡単なことも分からないような不肖の刑事が、今まであなたの経済的ステータスを散々皮肉ってきたことに、深く、深〜くお詫び申し上げます』、とな」
 「あ」そんな時、利子刑事が不意に声を上げた。「なんか、前方に光るものが・・・・・・」
 「何っ!?小銭だと!?」誰も小銭だと言った覚えはないが、ビン・ボウ警部補は利子刑事の言葉を勝手に解釈すると、素早く地面を蹴るや否や、豹の如く身を地に滑らせた。
 その間に、利子刑事は中・流刑事にこっそりと耳打をした。

 「小銭など、どこにもないじゃないか!」
 ビン・ボウ警部補が二人の元に戻って来た時、中・流刑事の顔は、先程とは打って変わって、自信に満ちている。
 「なぜビン・ボウ警部補が他の手紙師を犯人だと推理できたのかというと、それはずばり、オーナーの吐いた嘘にヒントがあります」その表情と同様に、自信に溢れた口調で中・流刑事は語り出した。「リジーさんはいつもより早く工房についたが、手がかじかんですぐには手紙を書けなかった。つまり、工房に着いてから少し時間が経過した後、手紙を書いたんです。完成された手紙がリジーさんの筆跡で間違いなかったことから、リジーさんが殺されたのは、彼女が手紙を書いた後ということになる。オーナーの証言を仮に真とするならば、リジーさんは8時30分頃に出勤するとすぐに手紙を書いたわけですから、ものの10分で手紙を仕上げたことになりますよね。他の従業員が出勤するのは、オーナーが店を開けてから15〜20分後ということですから、他の従業員の出勤にリジーさんは死んだことになる。でも、オーナーの証言は実際は嘘でした。つまり、リジーさんが8時30分に出勤してきたとしても、かじかんだ手を温めるのに時間を要する。まあ、ここは仮に5分としましょう。すると、手紙を書き始めるのは8時35分、手紙が完成するのが8時45分。すると今言ったように、他の従業員の出勤の時間帯と鉢合わせする可能性が出てくる。すると、どうなるか・・・・・・。リジーさんは、他の従業員が出勤したに死んだ可能性も出てくるわけですよ。さて、オーナーの証言を真とした場合と偽とした場合での決定的な違いは何か・・・・・・。もうお分かりですね。前者では容疑者はオーナーに絞られるが、後者では『手紙工房』従業員全員に犯人が絞られる・・・・・・。オーナーは前者の証言をした。とすると、ここから導き出される解釈は

 オーナーは、犯人である従業員を庇うため、自分のみが容疑者に絞り込まれるように、嘘を吐いた。

 となるわけです。そこからビン・ボウ警部補は、現場にいた他の手紙師たちのうちから、あからさまに狼狽している一人を指摘し、うまくビンゴしたわけです!」
 ビン・ボウ警部補の中・流刑事に対する復讐の機会が儚くも散った瞬間だった。
 「それにしても、こんな形で復讐するとは・・・・・・。どうやら、懐が貧しいと、心まで貧しくなってしまうようですね、ビン・ボウ警部補」中・流刑事のとどめの一言が、深く、深〜く、ビン・ボウ警部補の胸を刺し貫いた。

 「で、例の手紙だが・・・・・・」ビン・ボウ警部補が、懐から封筒を取り出した。
 「立ち直り早いですね、ビン・ボウ警部補。というか、持ってきちゃったんですか?手紙。いけないんだ、いけないんだ」
 茶化すように言う利子刑事だが、一方で、ビン・ボウ警部補の顔は真剣だった。「ふむ、宛名がちょっとな・・・・・・。ウラブレー・・・・・・。この名前、遠い過去にどこかで・・・・・・」言いながら、封筒を開いた。

 親愛なるウラブレー殿

  例の計画の決行まで、あと一カ月を切りました。
  「あと一カ月切ったって、逆に言えば、まだ3〜4週間はあるということじゃないか!そんなに待てるかい!時は金なりと言うではないか!・・・・・・いや、今の私には時間よりもむしろ金のほうが・・・・・・ブツブツ」というあなたの声が聞こえてくるようで申し訳ないのですが、まだ少し時間がかかるのです。
  そんなあなたに、今回は気晴らしと暇つぶしを兼ねた、クイズを送ります。

『希代の弁護士Xさんは、毎朝、通勤のために満員電車に乗り込むのだが、変態のためか、連日のごとく、人でごったがえす車内で、こっそりと、女の尻を撫で回している。にもかかわらず、Xさんはいつまでたっても痴漢で訴えられないどころか、嫌がられもせず、誰からも文句ひとつ飛んでこない。なぜだろう?』
  「合意の上だった」という解以外でお考え下さい。

 自分大好き グレッグ・カルテルより

 
手紙のクイズに答えて下さい。
  
Answer Xは女性で、自分のお尻を撫で回していたのだ。
■
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