…うるさいなぁ、泣き声。
なんでこう喚くかなぁ、寝たけりゃ寝りゃぁいいのに…。
なんでこんなうるさい子の面倒なんか見なきゃいけないんだろう。
そうだ、いっそ殺しちゃえば…


「ファ〜」
と、大あくびをして瀬川刑事は周りから変な目で見られた。
別にあくびくらいいいじゃないか、ここが事件現場だからといって。
と、内心おもったが、声には出さなかった。
被害者は福田有紗（フクダアリサ）1歳。
「こんな赤ちゃんに暴力振るなんて…」
「こんにちは」
この声は…まさか、そう思いながら振り返るとなぜかリョウがいた。
「わあああああぁぁぁぁぁでたあああああぁぁぁぁぁぁなんでいるんだあああぁぁ」
「…お化けみたいに言わないでください。」
「で、なんでいるんだ？」
「僕の家、そこのアパートなんです。」
［なるほど。」
「被害者は？」
「偶然居合わせただけでまるでいつもどおりみたいに被害者のこと聞くんですね…」
「ええ、気になりますので。」
「被害者は福田有紗。1歳の女の子。左のコメカミに一撃食らわされて、頭蓋骨もちょっとやられているようで、意識不明の重態です。怪我の様子から見て、後ろから殴ったと思われます。」
「なるほど。凶器は？」
「それが…まだ断定されていないんです。まぁ、すぐに断定されるでしょうけど。」
「…わかりました。容疑者は？」
「3人です。今つれてきますね。…といいたいところなんですが、こちらから行ったほうがよさそうです。」
「なぜです？」
「3人とも、今有紗ちゃんのいる病院にいるんです。」

容疑者は福田美智子（フクダミチコ）、福田洋介（フクダヨウスケ）、新井田真理（ニイダマリ）の3人。
「えぐっ…有紗…無事でいて…」
「福田さん大丈夫？ほら、気をしっかり！！」
「美智子！元気出せ！！」
「ええ…そうね…うっ…」
「こんにちは」
「あ、刑事さんこんにちは！！」
瀬川が話しかけると、福田洋介が答えた。
「では、一人ずつ話を聞かせてください」
一人目は福田美智子。
「…私は、あの子を公園で遊ばせてたんです。そしたら、私、ちょっと眠くなってしまいまして、ベンチで眠ってしまったんです。そしたら、有紗がいなくて…うっ」
「お母さん、また改めて話を聞きますので、とりあえず、落ち着いたらまた話をしてください。」
「…はい」
二人目は福田洋介。
「くそっ俺がついていれば…」
「まぁまぁ、落ち着いてください。」
「落ち着いてられるかよ！」
「とりあえず！！事件について何か知ってることがあれば、話してください」
「…俺はあの時家にいたんです。公園の前のアパートです。美智子があわてた様子でもどってきたので、事情を聞いたら有紗がいないって…で、探したら公園の近くの道路の影に頭から血を流して倒れていて、1番最初に見つけたのは新井田さんなんです。」
3人目は新井田真理
「私は、福田さんと、いわゆるママ友です。福田さんに頼まれて、有紗ちゃんの面倒も良く見てました。本当は嫌だったんですけどね。有紗ちゃんが倒れているのを見つけて、で、救急車を呼んだんです。」
「なるほど、まぁ、とりあず帰っていただいてもよろしいです。ここに、名前と連絡先を一応書いておいてください。」
「はい…わかりました…」
「お母さん落ち着きましたか？」
「はい…」
「では、ここに名前と連絡先を。」
「はい…」
「…おや？なんで手を丸めて隠すように書いているんですか？」
「ああ、私、左利きで、左利きの人はこういうふうにして書く傾向があるようなんです。」
「なるほど…まぁ、左利きの人は美術的なことでは天才という利き手ですから、大事にしてください。」
「はい…」
「容疑者の中ではあなただけが左利きのようですね。」
「はい、そのようですね…」
「…」


「で、どうだ？なんかつかめたか？」
「はい。」
そうリョウが答えると、
「ほう。何がわかった？」
と瀬川が聞く。
「恐らく、犯人が。衝動的な犯行の場合、犯人は恐らくあの人しかいません。」
「え？…確かに、犯行は、衝動的な犯行と推測されているが…」
「では、あの人の部屋をちょっと調べてみてください。」
「ああ、あの人か、わかった。」

　　　　　　　　-------次の日--------

「で、どうですか？」
「確かに、あの人の部屋から被害者の血のついたＡ４の紙が8枚ほど見つかったが指紋も検出された。…あとは、これも同じく被害者の血のついたビニール傘が。」
「Ａ４の紙？血はどこについてましたか？」
「え？…縦にして、その上の部分にすべての紙共通で少しずつ付いてました。」
「なるほど、では、それが凶器でしょう。」
「…は？紙で人の頭を殴って殺せるか？」
「いえ、こうするんです、ゴニョゴニョ…」
「…ああ、なるほど！！それなら、相手は赤ちゃんだしな。」




犯人と、Ａ４の紙でどうやって人を殺せるか、犯人については理由もつけておねがいします！ちなみに、前回難しいという意見が多数上がったので、少し難易度下げてみました。