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『コマ―』と鳥川の事件簿#43
難易度:★★★  
?駒一 2012/03/11 20:08
この無人島で記憶を失った?
まだ現実感を飲み込めないまま僕と串坂は一二三さんを見る。
初めて会った時も、一二三さんのアパートでクイズを解いている時も、
そしてアメリカに行くと言い残して消えた時でさえも教えてくれることのなかった真実に
ただ僕らは茫然と一二三さんの言葉に驚いてしまっていた。
「いつか話そうとは思っていたが、
あの頃の君らじゃ何も考えずにこの無人島に行くのが目に見えていて話せなかったんだ。悪く思わないでくれ」
悪いとは思えない。確かにあの頃の僕らなら危険をかえりみず、
いやむしろ本当の『危険』と安全の中の『危険』を履き違えて行ってしまっていただろう。
「でもそこで一体何があったんですか」
神妙な顔をして串坂が言葉を投げかける。
その表情には今まで絶やすことのなかった笑顔がどこにも見当たらない。
「目が覚めてみると、そこは誰もいない医務室のベッドの中で気がつけば記憶のない状態だった。
当時の僕はそれに混乱してその部屋から飛び出し、無茶苦茶に突き進んでいたらジャングルの中へ、
そしてさらにジャングルの中を走って海にたどり着いていたんだよ
友人帳は命からがらあの無人島から泳いで逃げ切った後に
ポケットに入っていたコインロッカーのカギを辿って回収したんだ」
気がつけば記憶がない状態だった……。その言葉がまだ脳裏にへばりつく。
想像を絶している。いきなりなにも見えない闇の中へ放り込まれたようなものではないか。
「つまり……一二三さんは『再教育』される前に脱走できたが
コマーは脱走できずに『再教育』されちまったってことか?」
串坂の言葉に頷いた一二三さんを見て絶望感に打ちのめされる。
「じゃあ……コマーはもう元に戻らないんですか……!」
沈黙を押し殺し、ただなにも言わずに足元を見つめている。
もう駄目なのかと諦めかけた瞬間、ついに一二三さんが沈黙を破った。
「たった一つだけ方法、いや手がかりがある」
ジャケットの胸ポケットからボロボロになりかけた紙を一枚取り出して机に広げる。
「こ、これって……。
 一二三さん、こんな時にクイズなんて馬鹿にしてるんですか!」
「馬鹿になどしているものか!」
机に拳を叩きつけビリビリとリビングに一二三さんの怒声がこだました。
その勢いのままソファーから立ちあがり罵声にも似た言葉を次々と吐いていく。
「ああそうだ! これはクイズだ! このクイズのせいで僕は記憶を取り戻せずにここにいる!
信じられないだろうが、そうじゃなかろうが
それでも馬鹿にしていると思うのなら……!!」
「一二三さん! 落ち着いて!」
今まで見たこともないほどに興奮しきった姿に異常を抱き咄嗟に肩を掴み声をかけた。
僕の言葉にやっと我に返り、すまなかった、本当にすまないと
何度も呟きながら両手で顔を覆いソファーに崩れる。
「その紙は……僕がベッドから起き上がった時に……
注意書きのような形で置かれていたプリントだ……。
 記憶が消えてしまったあの日から
毎日、解読しようと試みたが……何度やってもダメだった……
 どうしても、解くことができなかったんだ……」
一二三さんはやはり、記憶を取り戻したかったのだ。
自分の記憶が消えてへっちゃらな人間なんていない。
自分自身を取り戻そうとしていたのだ。

だったら、僕がやるべきことはたった一つ。

コマーの記憶を取り戻し、一二三さんの記憶も奪い返してやるだけだ。

√108 √24 √1100 √27 √128 √175 √12 √7 √20 √72

√180 √8 √3 √112 √98 √5 √98 √75 √80 √50 −√8 √405

√12 √3 √200 √2 −√112 √75 √448 √80 √96

√448 −√108 √7 √28 √18 √486 √405 

√12 √3 √202 √2 √112 √72 

√27 √243 √448 √5 √27 √80 √75 

√252 √8 √700 √18 √486 √96 √3 √405 −√150 

√8 √50 √162 −√45 √20 √48 √75 

−√32 √18 √50 √3 √448 √5 √75 √45 √405 √28 √112

なるほど……。語訳もどこにもない。ただ不規則な数字だけが書き連ねられている。
「おいおい、語訳もないんじゃ十五年解き続けようとした一二三さんどころか
俺や鳥川、それどころかどこの誰にも解けるわけが……」
「とりあえず、かんてーかのせんせーに」「ちょっと待て」
長らく使っていなかった埃まみれの脳細胞がやっと動き出していく。
間違った数字の表記、キッチリしていない数字、そして何よりも数学を犯罪に使ったこと。
それが僕の思考のエンジンをオーバーヒートする限界まで上昇させていく。
右ポケットから万年筆、
左の胸ポケットからメモ用紙を息をつく暇もなく取り出してガリガリと暗号の『答え』を突き詰める。
「はぁ……これが……コマーの記憶を戻すための方法か……」
ボールペンで書きなぐったメモの文章のそこに十五年間も彷徨い続けた本当の答えがあった。

「さあ行こう……記憶を取り戻す方法はもう分かった」
Answerひけんしゃのきおくは

ふかいトラウマにつながる

キーワードによって

よびおこされる

キーワードはしりょうしつにほかんされているので

かならずくちにださないようにすること。
■
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    ヒント知らないよ

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