クイズ大陸クイズ大陸

参加型ナゾトキサイト『クイズ大陸』で、脳トレをどうぞ!

FAQ
feedRSS


■ pc ( No.1 )
日時: 2012/04/06 12:57
名前:

続き

「 …緋色さん、緋色さん?」
私は須江先輩の声ではっと目が覚めた。
慌てて壁の時計を見ると六時半を示している。
長旅の疲れからか五分ほど居眠りしてしまったようだ。
「 あれ?トランプはどうなりました?それに皆は…?」
既にトランプは片付けられ、ダイニングにいるメンバーは私と須江先輩だけになっている。
「 緋色さんが居眠りしてから、五音君と貫田君は外へ二人で散歩に出かけたわ。牧さんは部屋へ帰ったみたいね。大風先生は今頃はコピーしている頃かしら。」
ありゃりゃ。言い出しっぺの私が寝ちゃったら皆が興ざめするのは当たり前か…やっちまったな。
「 須江先輩、すいませんでした。あの、皆……」
怒っていませんでしたか?とそう言い掛けた時、

バキューーーーーン…ッ!!!

銃声らしき音が建物の中に響き渡った。
牧の部屋は一階の一番奥の部屋。
玄関からはこのダイニングを通らなければその部屋へは行くことは出来無い。
私と須江先輩は顔を見合わせて二人同時に走り出した。
部屋の前まで来る途中には誰にも会うことはなく、私はドアをドンドンと叩いて牧真紀の名を呼ぶ。
しかし中からの返事はない。
ドアノブを試しに回してみると鍵は掛かっておらず、すんなりドアは開いた。

「 ま、真紀!?」

そこにはうつ伏せに倒れ背中が真っ赤に染まった真紀の姿があった。
私より先に須江先輩が真紀に走りより、真紀を抱き起こす。
「 牧さん!!牧さん!!」
その呼び掛けに真紀はゆっくり目を開けた。
良かった…生きてた〜……。
私は安堵からその場に崩れ落ちる。
すると遅れて会長と貫田さんが真紀の部屋へと訪れた。
「 何があった?俺が建物に入ったらオーナーから牧の部屋の方から銃声がしたと…。」
「 ねえ、真紀!何があったの!?」
「 二分くらい前かな。窓に背を向けた瞬間銃声の音がして、背中にボールが当たった程度の衝撃があったのよ。」
真紀はそう言いながら自分の背中を私に向けた。
「 なにこれ?ただの熟したトマトじゃん。」
私はその背中を見て拍子抜け。

「 可能性としてそのトマトは牧の自作自演という事はないか?一番簡単なのはトマトの上に寝転がるという方法だが。」
そう切り出したのは五音会長、その問いかけに貫田が答える。
「 それはあり得ない。トマトの潰れ方と飛び散り具合からみて、間違いなくトマトは窓の外から投げられた物だな。」
「 それなら五音会長と貫田君…犯行時刻にちょうど外へ出ていたわよね。あなたたちどちらかの犯行の可能性はない?」
「 俺らはずっと一緒にいた。お互いにアリバイありって訳。あ、でも五分ほど会長は建物の中に戻ったっけ。」
「 ああ。自分の部屋へ上着を取りにな。その時ダイニングには居眠りしていた緋色しか居なかったような気がするのだが…。
それに、この窓の外から玄関を通ってこの部屋へはどんなに急いでも二分じゃ無理だ。」
そんなやり取りの中、私はある人物を思い出した。
「 もう一人忘れてるじゃん。大風先生が。」
「 そっか。俺たちに推理させる為にか?あの人ならあり得そうだな。」
貫田はそう言いながら携帯電話で大風先生にかけはじめる。
しばし時間をあけて電話が繋がったようだ。
「 あ、先生、貫田ですけど…今どこすか?」
「 ああ、お前か。どこって、知ってるだろう…嫌みか?
参ったぞ〜コピーできる場所は一番近くてもペンションから十五キロも離れたコンビニだって聞いて…
やっとこささっきコピーし終えてそっちに向かってる所だ。…なんかあったのか?」
「 いえ、何でもないっす。気をつけて戻ってください。」
「 おい!?ちょっとま………!?」
貫田は特に説明もしないまま電話を切る。
「 ところで、本当に須江と緋色はずっと一緒にダイニングにいたのか?」
「 あ、はい。ちょっと居眠りしちゃってましたけど五分くらいでしたし…ねえ、須江先輩?…って、あら?」
同意を求めたのに須江先輩の姿がない。
見れば須江はダイニングの方向からこちらに向かっている途中だった。
…トイレだったのかな?
須江は皆をまとめる様な口調で、
「 取りあえず牧さんは着替えた方がいいんじゃないかしら。
ここでごちゃごちゃやってるより、ダイニングへ戻りましょう。推理はそれからでもいいんじゃないかしら?」

ダイニングに戻ると照らし合わせたかのように壁の時計がボーンボーン…と七回鳴り響いた。
七時…?
なんとなく違和感を感じていると大風先生が戻って来たようだ。
その手にはコピーし終えた台本。
「 ちょうど人数分コピーしたつもりだが、ページが抜けてたら勘弁な。」
そう言いながらメンバーに台本を配って行く。
ちゃんと真紀がさっき書き足した物語のタイトルもコピーしてある。
三十ページを五組だから百五十枚…コピー代は一枚十円だから…
ええ!?千五百円も自腹!?
珍しくコピー代けちらなかったんだな・・って、やっぱ後から部費で請求だよね。
私は関係無い事ばかり考えてながら台本をめくろうとした。

次の瞬間。

「 ちょっと待っていただけますか!?」

突如ちょっと待ったコールをかけたのは真紀だ。
着替えも済ませ、背中のトマトの形跡はすっかり消えている。

「 実はこの台本のストーリーはさっきのトマト事件のトリックが書かれています。
もちろん台本に書かれているのはトマトではなく拳銃ですけどね。
さて、ここで問題です。私を狙った犯人役はいったい誰でしょう?
犯人役をお願いした人物はズバリ!!この中にいます。
さあ、緋色。犯人役とその人物のアリバイトリックを見破れるかしら?
ただし、犯人は“単独犯の設定”だから複数犯の考えは無しでお願いね。
そしてもうひとつ。登場人物の会話に嘘はないという事も条件にしちゃおうかな。」

ガーン…皆ニヤニヤしてる。
この台本のストーリーを知らないのは私だけだったのか。
新入りの私の推理力を試す為だったってことかあ…。
「 わかったわ。犯人役が誰なのか、そしてその人のアリバイトリックを見破ればいいのね。
お腹も減ったしちゃっちゃと済ませてやろうじゃないの。」

【問題】犯人役を演じたのは誰でしょう。
そしてその犯人のアリバイトリックを見破ってください。

こちらが用意しているアリバイトリックと犯人役との一致で正解と致します。ご了承ください。