ｸｲｽﾞ大陸

では解決編

「明かりが消える前に水着のおねえさんが、
　観客が立っているところまで水槽を押し出したんだ。
　たまたまおとなしい観客ばかりで
　素直に後ろに下がっていたけど。
　ひとつ間違えば真部さんのファンが水槽を取り囲んで
　マジックショーはめちゃくちゃになっていたと思うよ。
そこまでならなくても、お客さんがすんなり下がらなければ、
　真部さんは水中で息を止めていたんだ、
　秒単位の進行の遅れでもマジックは失敗していたはずだね。
　だから水槽をあんなに前に出すのは不自然だった。

　ショーの前に何度もリハーサルがあったはずだけど、
　その時は水槽は前に出されなかったと思うよ。
　逆に水槽は後ろに下げられる予定だったんじゃないかな。
　それなら水槽から出てそのまま右手に走れば
　ディプロドクスがいる。
　本当は真部さんはブラキオサウルスではなく、
　ディプロドクスに登るはずだったんだ。

　ブラキオサウルスとディプロドクスは
　本当は全然骨格が違うんだ。
　だけど首や尻尾の長さ、頭の形だけ変えて
　胴体は同じもので間に合わせてあるみたいだよ。
　それとも２頭を同時に作ったので、
　つい体形が似てしまったのかもしれないね。
　だから父さんには最初にその２頭が兄弟に見えたんだ。
　とにかく２頭の隠し扉の位置、首の中のハシゴの位置や角度は
　ほとんど同じなんだ。

　でも２頭にははっきりと違いがあったんだ。
　ブラキオサウルスは頭が下をむき、
　ディプロドクスは口をあけている。
　ブラキオサウルスなら頭の上に立てば下からも見えるね。
　ディプロドクスの頭の上に立っても
　口がじゃまで下の観客からほとんど見えない。

　ディプロドクスの口の上にまたがるのは簡単だよね。
　頭の上からすべりおりれば口にひっかかる。
　真部さんはそうやってディプロドクスの口にまたがる予定だった。
　しかしブラキオサウルスの頭は下をむいているから、
　ブラキオサウルスの口にまたがるのは角度的に無理なんだ。
　恐竜の頭の上に登った真部さんはディプロドクスだと思って
　その口にまたがろうとした。それで一気に転落したんだよ。
　
　真部さんは暗闇の中で水槽から脱出し、右に走って
　恐竜の隠し扉を開きその中に入った。
　でもそれはブラキオサウルスだった。
　水着のおねえさんは水槽を観客の前に出すことで
　真部さんをブラキオサウルスに登らせたんだ。
　ずっと目隠しをしていた真部さんは、
　水槽が違う位置に動かされていても判らなかったんだ。
　水の中で音声も聞こえなかったからね。
　水着のおねえさんだけではなく、スポットライトを操作してた人とか
　真部さんのアシスタント全員が共謀したんだと思う。」



（備考）
ブラキオサウルスの独特の頭の形を指摘する方がいなければ
正解に含めない予定でしたが
ひでぽんさんが指摘してくれました

（備考２）
やはり子供は探偵役にすべきではない
子供の口調で真相を説明するのはとてもめんどくさい
「観客」→「お客さん」とか、今回は途中であきらめました