暗号 〜旅行へのお誘い〜 ≫No. 1
アト
4月。卯月。金曜日。夜。 23:30。
世間では入学、進学、就職と何かと祝い事も多い時期だというのに・・・。
都内にあるビルの窓から、人気のないオフィス街を見下ろす。
場違いな場所に植えられたことを抗議するかのように咲いていた桜の花も
最早すっかり散ってしまい、早くも新緑の季節が近づいていることを感じさせる。
作業中のモニタに目を戻す。
まだまだ完成しそうにないドキュメントをとりあえず保存し、取引先からの新着メールを確認。
この時間でもまだメールが届くとは、お互いどんな生活をしているものやら。
独り苦笑しながら、手早く返信する。
ついでに、プライベートのメールもチェックすることにした。
もちろん、会社のパソコンを私用で使うことは禁止されているわけだが、
ほとんど人も残っていないオフィス、このくらいは許されてもいいだろう。
取るに足らないメールマガジンをまとめて削除しようとしたとき、
その中に学生時代の友人からのメールがまぎれていることに気がついた。
相変わらず、突拍子のないメールだ。しかも、物好きなことに暗号で書かれているらしい。
どうやら旅行へ誘われているらしいのだが・・・。
-----------------------------------------------------
件名:***旅行へのお誘い**
久しぶり。相変わらず忙しいのかな。たまには息抜きしなくちゃだめだぜ。
そんなわけで今度の連休に、下の英語で抜けているものを使って旅行にでも行かないかい?
a percept and scapegoats in peacetime
もちろん、このメールを読んだからには、途中で降りるなんて言わないでくれよ?
------------------------------------------------------
ふむ・・・・。さて、一体どこへ行こうと言うのだろうか。
アト
世間では入学、進学、就職と何かと祝い事も多い時期だというのに・・・。
都内にあるビルの窓から、人気のないオフィス街を見下ろす。
場違いな場所に植えられたことを抗議するかのように咲いていた桜の花も
最早すっかり散ってしまい、早くも新緑の季節が近づいていることを感じさせる。
作業中のモニタに目を戻す。
まだまだ完成しそうにないドキュメントをとりあえず保存し、取引先からの新着メールを確認。
この時間でもまだメールが届くとは、お互いどんな生活をしているものやら。
独り苦笑しながら、手早く返信する。
ついでに、プライベートのメールもチェックすることにした。
もちろん、会社のパソコンを私用で使うことは禁止されているわけだが、
ほとんど人も残っていないオフィス、このくらいは許されてもいいだろう。
取るに足らないメールマガジンをまとめて削除しようとしたとき、
その中に学生時代の友人からのメールがまぎれていることに気がついた。
相変わらず、突拍子のないメールだ。しかも、物好きなことに暗号で書かれているらしい。
どうやら旅行へ誘われているらしいのだが・・・。
-----------------------------------------------------
件名:***旅行へのお誘い**
久しぶり。相変わらず忙しいのかな。たまには息抜きしなくちゃだめだぜ。
そんなわけで今度の連休に、下の英語で抜けているものを使って旅行にでも行かないかい?
a percept and scapegoats in peacetime
もちろん、このメールを読んだからには、途中で降りるなんて言わないでくれよ?
------------------------------------------------------
ふむ・・・・。さて、一体どこへ行こうと言うのだろうか。