ｸｲｽﾞ大陸

郊外のある研究所から、開発中の薬品50リットルが盗まれたとの通報が入った。
定期巡回中の警備員が、薬品倉庫から10リットルのポリタンク5個が消えているのを発見、その後、裏口を出たところの駐車場で空のポリタンクが5個とも見つかったとのことだった。
犯行の手口は大胆で鮮やか！
犯人は倉庫からあっさりとタンクを運び出し、駐車場に用意してあった車輌に載せ換えて、まんまと持ち去ったのである。
我々はすぐに国道N号線に検問を張った。研究所から逃走するには必ず国道N号線を通らなくてはならないのだ。
「これで一安心ですね」
荒方君はそう言ったが、たとえ検問を張られてもそれを逃れる自信が犯人にはあるのだと私は思った。
その不安を打ち消すように、私たちは検問の場所へと向かった。

検問に着くと私たちは、そこにいた二人の警官に声をかけた。
「どうですか？　不審な車は通りませんでしたか？」
「特に不審な車は・・・いや、不審かどうかにかかわらず、すべての車を調べましたよ。車内はもちろん、ボンネットの中やトランクも開けて全部。・・・なあ？」
「ええ、すべて隈なく調べました。車の下まで覗き込んで。でも、50リットルって言えば結構な量ですよ。隠すなんて普通の車じゃできないでしょう？」

（↓続きます。）