クイズ大陸



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?JK 2007/05/06 12:00
そうそう、SHISHI1さんから頂いたご指摘について、それとなーく警部に聞いてみました。

※ ※ ※ ※

「警部、金ヶ崎氏の事件のことでお聞きしたいことがあるんですが」
「なんだ?」
「あの『携帯灰皿』が実は『小銭入れ』だった点から三田芽好に目星をつけたじゃないですか。でも、この偽装であるということ自体が、真犯人の自分の嫌疑を薄くするための可能性だってこともあったんじゃないですか?」
「ああ、そのことか」
警部を意外そうな顔をして僕を見ると、真面目な顔をして話し出した。
「例えば三田芽好以外が犯人だったと仮定しよう。その真犯人は、二重の偽装をしたことになる。『携帯灰皿の持ち主』である金ヶ崎振雄に目を向けさせようとし、『携帯灰皿が実は小銭入れとして使われている』という事実によって、それを知らない三田芽好へと目を向けさせる。」
「そうですね」
「だとしたら、真犯人は警察に二つの情報『振雄の持ち物』『小銭入れ』を提供するのが普通じゃないかと思ったんだ。他に容疑の掛かる人物がいるかいないか把握していたとしても、その人物が証言するかなんて誰にもわからない話だ。」
「証言は別々に取りますからね…」
「振雄は自慢してたというから、彼の持ち物であることはきっと誰もが証言するだろう。ただ、そもそも携帯灰皿に吸殻が入ってるのは自然なわけだから『これは誰の持ち物か』という質問はしても『これは携帯灰皿ですか』なんて質問するか?」
僕が質問した時は「これに見覚えは?」と確か聞いたな。だから皆振雄の持ち物であると証言した。
「マヌケな質問ですもんね…って、そうか、…証言者の中で誰もこれについて明確に『携帯灰皿』『小銭入れ』と答えた人はいないですね。それを匂わせる内容はあっても」
「そう、三田芽好は『携帯灰皿』他の三人は『小銭入れ』というそれぞれの事実の中で話しているから、態々それが何かという発言はしなかった。あの時、二つの事実を認識していたのは、喫煙者の秘書だけだろうな。」
事実、証言を取り直してみると後妻の米代は携帯灰皿であったことすら知らなかったし、持ち主の振雄もヘビースモーカーの割りに携帯灰皿と知らず、小銭入れとして使っていた。
『別にその辺で捨てればいいから、態々持ち歩くわけがない』と非常識な発言が返ってきたので、ムカッとしたな…。
警部の話は更に続く。
「ということは、もし仮定の真犯人がいるなら『小銭入れ』だという事実を明確にすることで三田芽好に容疑が掛かるように仕向けるとは思わないか。」
「そっか」
言われてみれば、誰かが証言してくれるような運任せよりも自分で証言するのが当然だ。
事実、携帯灰皿は小銭入れとして使われていたのだから、証言しても不審な点はない。
携帯灰皿を小銭入れとして使っていたなんて、可笑しな話だし。
「でもな」
「はい?」
僕が納得していたところ、警部がぽつりと呟いた。
「結局は、どれも推測にしか過ぎない。後妻と秘書の発言だって考えようには『吸殻を拾って戻す』ことが『おかしいことする』だったのかもしれない。まさに真犯人が別にいて、振雄もしくは三田に罪を被せるつもりだったのかもしれない。『小銭入れ』の事実だって、調べれば直ぐにわかる話だったから匂わせるぐらいにしか証言しなかったかもしれないからな」
「ちょっと、それじゃ警部…」
「言ったろ、あの時、お前から聞いた情報から考えられる推測に過ぎない、ってな。犯人を逮捕する足掛かりの1つであって、決定的な証拠ではなかった。だから、オレ達はその後も引き続き捜査したんだろ?」
「――――ですね」
「それにしてもお前にしては珍しく的を射た質問だな」
「へへ、そうですか」

※ ※ ※ ※

SHISHI1さんのおかげで、ちょっと警部に褒められました。
確かにこの目星すら犯人の思惑で、思い込まされる可能性だってあるんですね。
本当に勉強になりました。
今度は自分で疑問を持てるよう頑張りたいと思います!!
ご協力、心から感謝します!!
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