クイズ大陸



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Re: 花粉症殺人事件・2 ●解答篇up● ≫No. 1
?kaito 2006/03/18 02:21
 昨日はしくじった。
 でもこれで終わらせられるか。
 今度こそ俺のこの計画を成功させてやる。
 ほら、今日はあっさり飲みやがったぞ。ざまあみろ。
 あとは、瓶と蓋に指紋を付けて──

   *   *   *

「──遺体の身元は?」
「桧枝 草美(ひえだ・くさみ)、22歳。春日野大学の3年生です」
 僕は荒方の報告を聞いて驚いた。春日野大学と言えば、昨日撲殺死体で見つかった杉山 痒平(すぎやま・ようへい)と同じ大学だからである。
 僕がそれを荒方に確かめると、さらに驚くべき返事だった。
「そうなんです。それも杉山と桧枝は同じサークルらしいんです」

 あまりの偶然に事件の関連性を求めたかったが、現場の状況はまるで違った。
 昨日の間違いなく他殺である事件と違い、今日はどうも自殺の線が濃い。
 遺体の倒れている近くには薬の小瓶とその蓋が転がっている。理科室にあるような、日光の影響を避けるための茶色の小瓶だ。中には錠剤が何錠か残っている。
「毒物だな。これを飲んだんだろう」
 そう言うと荒方も頷き、しゃがみこんで手袋を嵌めた手で薬瓶を拾うと、鑑識員に渡した。

 署に戻り、コーヒーを飲んでひと息ついていると、荒方が小走りにやってきた。
「堂本先輩、ちょっと不審なことがあるんです。今、鑑識に薬瓶と蓋の指紋を調べてもらったんですが」
「誰か別の人間の指紋でも付いていたのか?」
「いえ、付いていた指紋は確かに遺体のものと一致しました。他の指紋はありません」
「じゃあやっぱり自殺だな」
「いや先輩、これはおそらくコロシです」

■俺は今度は何をしくじったのだろうか?
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