ｸｲｽﾞ大陸

【解答篇】

「あれ？　これ、何かおかしくない？」
「え？　なんで？」俺はギクリとして手を止めた。
「なんでって、これ、お前毎日飲んでたじゃないか。なんでまるで新品みたいに上まで入ってるんだ？」
俺はハッとした。
毒薬の薬瓶は確かに開封したばかりで、瓶の口辺りまで錠剤が入っていた。それを鼻炎薬の瓶に移し替えたのだが、瓶も同じ大きさ、錠剤も同じ大きさだったために、やはり瓶の口の方まで届いてしまったのだ。
鼻炎薬が俺が飲んで減っている分、毒薬の錠剤を詰め替える時も、同じくらいの量にしておかなくてはならなかったのだ──
その俺の反応で心の内を見透かしたのか、杉山はニヤリとして続けた。
「なんだ？　あやしいぞ。俺をひっかけるつもりか？　お前が飲んでみろよ」
杉山はニヤニヤしてさらに詰め寄る。
「何言ってんだよ、やめろよ杉山」
「いや、飲んでもらうぞ。ほらほら」
そう言って杉山は、薬瓶を持った俺の手を俺の口に押し付けてきた。
俺は座ったまま少し後ずさりした。
その時、俺の後ろ手に床に突いた左手の指先に、何か硬いものが当たった。
俺は無意識にそれを掴んで、振り上げた。