受験の渦から無事生還したので,HAPPY NEW YEAR 2014 (
http://quiz-tairiku.com/q.cgi?mode=view&no=18446) に続きこちらも答えを書きますね
>>0 で触れたとおり,この問題には少しだけ
クイズ大陸的な要素があります。
それは何かというと……この問題が,
図形問題だということです。
だって,ほら,なんというか,ジャンルを見てくださいよ
正の実数の組(x,y,z) というのも,そういうことです。
ちなみに,実際にはゴリ押しで解けたりします。いやまぁ当たり前なんですが… 図形問題だとわかったところで,問題の条件をもう一度眺めます。
x^2+xy+y^2 = 16
y^2+yz+z^2 = 25
z^2+zx+x^2 = 36
正直,これだけではひらめきにくいと思います。3乗の因数分解の式 (a-b)(a^2+ab+b^2) を思い出す人もいるかもしれません。でも今回はそれではなくて……
思いつきやすいように条件を見やすく調理したものがこちらになります。
4^2 = x^2+y^2+xy
5^2 = y^2+z^2+yz
6^2 = z^2+x^2+zx
なにか見えてきませんか?もうひと押しいきます。
4^2 = x^2+y^2-2xy・cos120°
5^2 = y^2+z^2-2yz・cos120°
6^2 = z^2+x^2-2zx・cos120°
……そう!アレです,どこからどう見ても
余弦定理です!
ということで,問題文をさらに調理します。式とはいったんおさらばして,図形の問題にしましょう!
僊BC は AB=4, BC=5, CA=6 であるような三角形で,
この三角形の内部の点Dは,∠ADB=∠BDC=∠CDB=120° をみたす。
このとき,AD+BD+CD の値を求めよ。
ここまでくれば正弦定理など色々使って式を整理したりして解いてもよい(ぴろろさんの解答
>>2 など)のですが,せっかくここまできたので全て図形で処理してみます。次の事実を使います。
〜割と有名な事実〜
△PQR は正三角形とする。この三角形の外接円の円弧QR上(※Pを含まない方)に点Sをとると,PS = QS + RS が成り立つ。
証明はトレミーさんに頼むことにして,本題に戻ります。(紙を用意したほうが楽かもしれません)
辺AB について 点C とは反対側に,僊BE が正三角形となるような 点E をとります。
点E・B・D・A は共円です(∵∠AEB+∠ADB=180°)。
ついでに,円周角の定理で ∠ADE=∠ABE=60° です。
ここで,さっき述べた
割と有名な事実の構図が使えて,
つまり,
ED = AD + BD が成り立ちます。
これを用いて求める値
AD + BD + CD =
ED + CD となりますが,
∠ADE=60°と ∠ADC=120° より,E, D, Cは同一直線状に存在するため,
AD + BD + CD =
EC がわかります。わーい!
あとはもう余弦定理でごちゃごちゃやるだけです(計算量がけっこうきついですが…)。
ちなみに,有名かもですが,問題の点Dを
Fermat点 と呼びます。
クイズのタイトルを「Fermatからの贈り物」にした所以です。ここから気づいた人もいるようです((
3点 A, B, C について,AF + BF + CF の値が最小になる点F を Fermat点 と呼ぶ。この点は ∠AFB=∠BFC=∠CFA=120° を満たす。
証明もつけようかと思いましたが,名前がつくほどには有名で調べればすぐ出てくるので割愛します()
説明は以上となります。おつかれさまでした〜
m4a 2017/03/27 12:51
>>0 で触れたとおり,この問題には少しだけクイズ大陸的な要素があります。
それは何かというと……この問題が,図形問題だということです。
だって,ほら,なんというか,ジャンルを見てくださいよ
正の実数の組(x,y,z) というのも,そういうことです。
ちなみに,実際にはゴリ押しで解けたりします。いやまぁ当たり前なんですが…
図形問題だとわかったところで,問題の条件をもう一度眺めます。
正直,これだけではひらめきにくいと思います。3乗の因数分解の式 (a-b)(a^2+ab+b^2) を思い出す人もいるかもしれません。でも今回はそれではなくて……
思いつきやすいように条件を見やすく調理したものがこちらになります。
なにか見えてきませんか?もうひと押しいきます。
……そう!アレです,どこからどう見ても余弦定理です!
ということで,問題文をさらに調理します。式とはいったんおさらばして,図形の問題にしましょう!
ここまでくれば正弦定理など色々使って式を整理したりして解いてもよい(ぴろろさんの解答 >>2 など)のですが,せっかくここまできたので全て図形で処理してみます。次の事実を使います。
証明はトレミーさんに頼むことにして,本題に戻ります。(紙を用意したほうが楽かもしれません)
辺AB について 点C とは反対側に,僊BE が正三角形となるような 点E をとります。
点E・B・D・A は共円です(∵∠AEB+∠ADB=180°)。
ついでに,円周角の定理で ∠ADE=∠ABE=60° です。
ここで,さっき述べた割と有名な事実の構図が使えて,
つまり,ED = AD + BD が成り立ちます。
これを用いて求める値 AD + BD + CD = ED + CD となりますが,
∠ADE=60°と ∠ADC=120° より,E, D, Cは同一直線状に存在するため,
AD + BD + CD = EC がわかります。わーい!
あとはもう余弦定理でごちゃごちゃやるだけです(計算量がけっこうきついですが…)。
ちなみに,有名かもですが,問題の点Dを Fermat点 と呼びます。
クイズのタイトルを「Fermatからの贈り物」にした所以です。ここから気づいた人もいるようです((
証明もつけようかと思いましたが,名前がつくほどには有名で調べればすぐ出てくるので割愛します()
説明は以上となります。おつかれさまでした〜