ダイイングメッセージを作ろう! ≫No. 1
りむじん
2015/05/03 21:06
何も無い真っ白な部屋に閉じ込められた男。
入ってきたと思われる唯一のドアには鍵がかかっており蹴破ろうとしてもビクともしない。
するとどこからか声がする。
「これからこの部屋に毒ガスを注入する。君は10分で死に至るだろう。健闘を祈る」
男は確信した。この言い方は、巷で噂の連続殺人鬼ジェイソンだ。
ジェイソンの言った通り、ドアの隙間から毒ガスのようなものが吹き出し始めた。
男は慌てて口を塞ぎ、考えた。
ジェイソンの手にかかった者は必ず殺されている。
自分も生きてこの部屋を出る事はできないだろう。
ならば、せめて自分を殺した犯人がジェイソンであるという証拠だけは残しておきたい。
男は、何とかしてダイイングメッセージを残そうとした。
しかしジェイソンの名をどこかに書こうにも、勿論ペンなどは持っていないし、歯や爪などで床に傷を付けることもできない。
窒息死では体からの出血は無いし、歯や爪などで体を傷付けて血を出すこともできない。
着ている服や靴を脱いで並べたり、体のポーズで「ジェイソン」の形を作るにしても、複雑過ぎて無理だ。
どうすればジェイソンの名を残せるのか…。
男の意識は遠退いていった…。
「ここが現場か」
「はい。警官が駆けつけた時にはすでに部屋中に毒ガスが充満しており、中で男が一人倒れていました。外傷は無かったので、窒息死とみられています」
「れっきとした殺人事件だな。犯人の見当はついているのか」
「もちろんです。犯人はかの連続殺人鬼、ジェイソンに間違いありません」
「どうして言い切れる」
「男が残したダイイングメッセージがあるのですよ。ほら、そこに」
「…本当だ。確かに被害者はジェイソンの名を我々に伝えようとしていたようだな。しかしよくこんな状況でダイイングメッセージを残せたものだ」
「執念、とでも言いますか」
りむじん 2015/05/03 21:06
入ってきたと思われる唯一のドアには鍵がかかっており蹴破ろうとしてもビクともしない。
するとどこからか声がする。
「これからこの部屋に毒ガスを注入する。君は10分で死に至るだろう。健闘を祈る」
男は確信した。この言い方は、巷で噂の連続殺人鬼ジェイソンだ。
ジェイソンの言った通り、ドアの隙間から毒ガスのようなものが吹き出し始めた。
男は慌てて口を塞ぎ、考えた。
ジェイソンの手にかかった者は必ず殺されている。
自分も生きてこの部屋を出る事はできないだろう。
ならば、せめて自分を殺した犯人がジェイソンであるという証拠だけは残しておきたい。
男は、何とかしてダイイングメッセージを残そうとした。
しかしジェイソンの名をどこかに書こうにも、勿論ペンなどは持っていないし、歯や爪などで床に傷を付けることもできない。
窒息死では体からの出血は無いし、歯や爪などで体を傷付けて血を出すこともできない。
着ている服や靴を脱いで並べたり、体のポーズで「ジェイソン」の形を作るにしても、複雑過ぎて無理だ。
どうすればジェイソンの名を残せるのか…。
男の意識は遠退いていった…。
「ここが現場か」
「はい。警官が駆けつけた時にはすでに部屋中に毒ガスが充満しており、中で男が一人倒れていました。外傷は無かったので、窒息死とみられています」
「れっきとした殺人事件だな。犯人の見当はついているのか」
「もちろんです。犯人はかの連続殺人鬼、ジェイソンに間違いありません」
「どうして言い切れる」
「男が残したダイイングメッセージがあるのですよ。ほら、そこに」
「…本当だ。確かに被害者はジェイソンの名を我々に伝えようとしていたようだな。しかしよくこんな状況でダイイングメッセージを残せたものだ」
「執念、とでも言いますか」