クイズ大陸



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合戦にて(助け舟+2あり) ≫No. 1
?空蝉 2012/06/15 13:52囁き
 時は戦国。
 風吹きすさぶ冬の荒野に、大きな人群れが二つ、対峙している。
 大きな兜で頭を覆い、固い鎧で身を包んだ、馬にまたがる男たちが、刀、槍、弓などの武器を携え、この冬の冷気に負けずとも劣らぬ、冷め切った視線で、互いに相手の群れを見つめている。
 やがて、どちらともなく鬨の声が上がり、両者入り混じる血みどろの戦が、この荒涼たる巨大な大地の上で展開されるのだろう・・・・・・

 ・・・・・・と、思いきや、一方の軍の先頭にいた若い武士が、突然馬を降り、相手の軍のほうへと歩いて行った。
 やがて、相手軍の先頭に構える、老齢の武士のもとまでたどり着くと、若い武士は言った。「なあ、大将。なんだか、馬鹿馬鹿しくないか?こうやって人の命を削ってまで、戦うのはさ。国獲り合戦なんて、野暮なことはやめようや」
 「何ぃ・・・・・・?若造が、ここまできて、何を抜かすか!」
 「そんなに国が大事かい?果たして国なんてものに、人命を凌駕するに足る価値があるものかい・・・・・・?大将、国あっての人ではない。人あっての国だろう?だからさ、国よりも人のほうを大事にしようや」
 「だが・・・・・・わしは勝負がしたいのじゃ。武士たるもの、戦わずして何を成す」
 「別に、勝負しないとは言ってねえ。平和的な戦をしようというだけの話よ」
 「どこか矛盾した言い方よのう。で、どうするんじゃ?」
 「これよ」若い武士は、懐から一冊の本を取り出した。「こいつは、我が家に代々伝わる書物よ。俺が今からあんたに『あること』を訊く。あんたがそれに『うまく』答えることが出来たら、あんたの勝ち。『うまく』答えることが出来なければ、俺の勝ち。どうだい?」
 「何だかよく分からんが・・・・・・、よろしい、受けて立つぞよ!」
 「決まりだな。んじゃ、いくぜ。『大食い選手権で一等に輝いた越後屋の勘兵衛。賞金の十両を手にし、家路についたところを、なんと、彼の息子の娘の従兄弟の父方の叔父の母の父の母の父方の祖母の浮気相手のそのまた浮気相手が・・・・・・」

 さて、彼らは今何をしているのだろう?
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