クイズ大陸



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?かえるの妻 2012/01/05 23:26
【真相の章】

秀才でお喋りの小嶋、巨漢で口下手な大島。
特徴のある生徒の名は覚えたが、高橋というのはどんな生徒だったかなぁ
大島のクラスは わたしの受け持ちではないから、
彼と親しいのなら、知らない生徒かもしれない。

そんなことを考えつつ、保健室のドアを そっと開ける。

思いがけない光景に、我が目を疑った。

壁際のベッドの上。こちらに背を向けて横たわっている人物は
深紅のロングドレスに長い金髪。まるで貴婦人のような扮装だ。
これが高橋である筈がない。来客だろうか。
では高橋というのは何処へ? 隠れているのか、嘘だったのか?
いずれにしても、なにやら裏がありそうだ。

具合が悪いのであろう女性を置き去りにするなんて、養護教諭も軽率だ。
見知らぬ女性のこんな無防備な姿に遭遇したら、
良識ある男性教諭なら「失敬。」とでも言って退室する処だろう。
生徒たちなら・・・。
まさか。
小嶋は「目の保養」と言った。
「前田先生には関係ない」とも。イヤな感じだ。
そもそも この女性は何者なのだ? こんな扮装で。
・・・変質者?! 生徒たちが危ない!?

刹那に様々な疑念が交錯し、わたしは混乱した。
「どなたですか?!」とっさに声をかけてしまった。

その声に驚いたのか、貴婦人が身じろぎし、応えた。
「ふぇ? 高橋れす。」

・・・その寝惚けた返答は、明らかに変声後の、少年の声音だった。

そうか。
高橋の女装だったのだ。当たり前のことじゃないか。

のろのろと起きあがったその姿は、改めて見ても絶世の美女だった。
不覚にも感嘆の叫び声をあげた。なるほど眼福だ。

整った顔立ちに気合いの入ったメイク。作り込まれた衣装。
ご丁寧に仕込まれた胸パッドは、理想的なボリュームで
華奢な体つきを より引き立てている。
黙っていれば男子生徒には見えない。もはや芸術だ。

さきほどの不埒な想像を思い出し、わたしは恥ずかしくなった。


   〜了〜


・・・前田先生のモノローグは以上で終了ですが、
クイズの答え発表としては、まだ不完全ですね。
まもなく解説を予定、 (*^_^*)ツッコミはお早めに。
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