ｸｲｽﾞ大陸

　昔、あるところに射的の名手がいた。彼の腕は相当のもので、これに嫉妬した王様は、名手をこの世から抹殺すべく、彼にある難題を課した。

「ここに一粒の葡萄の実がある。今から、このボウガンとボルト（矢のこと）を使って、お前にある挑戦をしてもらう」
　そう言って王様は、名手にボウガンとボルトを一本渡した。それはかなり特殊なもので、この世のどんなものでも射抜いてしまうという、最強の兵器だった。　男は、どうせ射的でもやらされるのかと思ったが、王様はこんなことを言い出した。

「そのボウガンで、今一緒に渡した矢を放ち、見事、葡萄の実から矢を外してみせよ。ただし、その矢には、魔法使いによる魔法効果がほどこされており、どんな下手な奴がどこに向けて矢を放とうとも、矢のほうが自動的に的を追尾し、嫌でも命中させてしまうという代物なのじゃ！どれだけ距離が離れていようが、関係ない。目標が遮蔽物で完全に覆われている場合、矢は遮蔽物を貫通して目標に到達するし、単に遮蔽物が目標の前に置かれているという状態では、矢は迂回して目標に到達する。なお、使っていいのは、たった今渡したボウガンと矢のみで、お前は絶対にそのボウガンからその矢を放たねばならん。　
　まあ、これではあまりにも無慈悲というものじゃ。せめて、的である葡萄の設置場所、そして射撃位置だけはお前が自由に決めていいものとしよう。設置し終えたらもたもたせずに、すぐに撃つのじゃぞ。ちなみに、失敗すれば死刑じゃからな！」

男は苦悶の末に、なんとか死刑を免れることができた。いったいどうしたか？

「あ、そうそう、言い忘れたが、その魔法は絶対に解けんからな」