ｸｲｽﾞ大陸

　とある海峡。

　薄雲に覆われた月の仄かな光が、辛うじて心の拠り所となるような、深い闇夜の大海原を、うっそりと進む船が一隻。キール船長率いる巨大なガレオン船だ。

　その船の乗組員の一人であるジャックが、望遠鏡越しに先の海景を見ていた所、レンズの中に船影を発見。まだ距離もあり、周囲も薄暗いにも関わらず、その船は一目見て、ひどく老朽化しており、かなり不気味な様相を呈している。

「船長！船長！」ジャックはすぐさま船長の元へ走った。「１１時方向、約７００メートル先に見慣れぬ船の影が・・・・・・！」

　その報告に、キール船長、そして他の乗組員達に緊張が走る。

　幽霊船に遭遇すれば、どれだけ逃げようとあがいたところで、やがてはなすすべもなく幽霊船の方へ引き込まれ、幽霊たちの侵略のもと、積載物及び船員の命は余すところなく奪われてしまうという。その事実は、この海峡を横断する全ての船乗りの知るところだった。　
　
　とにかく、この海峡で幽霊船に遭遇した船は、絶対に助からない。

　例によって、先ほどまで遠くにいたその船は、物凄い速度でキール船長率いる船と距離を縮めつつある。
　
　やがて二つの船は接触し、幽霊船の幽霊乗組員達による侵略が開始された・・・・・・！

　にもかかわらず、どういうわけけか、キール船長達は、一切の被害を受けずにすんだという。

　何故だろう。

※泳いで逃げ切ることは不可能。
※幽霊は非情である。よって、「特別にお前たちの船だけは見逃してやろう」などどいうラッキーな状況を期待してはならない。