クイズ大陸



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?ペーター 2011/02/10 23:44
うん、あんまり参加者も居ないですが、2/10(木) に発表すると言ってしまったので、解答を纏めていきます。

今しがた忙しいので大ざっぱに方針を、(1)〜(4)((5)は誘導付きで大学入試に出題されたことがある。)は高校数V、(5)以降は大学教養の微分積分学や複素関数論で出てきます。

(1) 3倍角を利用。あるいは、cosx (1−sin2x) と変形して、t=sinx と置換。

(2) 部分積分です。∫(x)'(logx)2dx=x(logx)2−∫x{(logx)2}' dx として…。

(3) ∫tanx dx=∫sinx/cosx dx=−∫(cosx)'/cosx dx=−log|cosx|+C

(4) 部分積分を繰り返します。∫exsinx dx の項がまた出てきますが、これを移行します。

(5) 知識的に積分公式を知っていないと難しいかもしれません、高校数学だと難しいかもしれませんが、大学の微分積分の参考書になら何処ぞでも載ってます。
答え:{(x√(x2+1)+log(x+√(x2+1)}/2

(6) 重積分の変数変換を利用して解きます。∫[x:0→∞] exp(−x2)dx の値を公式的に覚えている人も多いはず。
∫[x:0→∞] 10^(−x2) dx ∫[y:0→∞] 10^(−y2) dy =

∫[r:0→∞] r 10^(−r2) dr ∫[θ:0→π/2] dθ = [−10^(−r2)/(2log10)]0 × π/2

=π/4log10  従って、∫[x:0→∞] 10^(−x2) dx = √(π/log10)/2

(7) 留数定理を利用します。z=eix と置換し、複素平面上で半径1の円の積分経路を考えます。 あるいはt=tan(x/2) と置換して、部分分数分解などして、計算量は多いですが、不定積分することも出来ます。答え:2π/√3
t=tan(x/2) という置換は、お決まりの積分テクニックです。dx=2・dt/(1+t2)、cosx=(1−t2)/(1+t2) と変形出来て(ちなみに sinx=2t/(1+t2))、三角関数を含む積分をtの有理関数で表すことが出来ます。

(8) これも留数定理を利用。積分経路をやや工夫する必要があり、内角が120°の扇型の経路を考えると楽に計算出来ます。(一周の円や半円を積分経路に取るような問題が多く見られますが、今回の場合はそれでは上手くいきません。)あるいは、これも部分分数分解して、不定積分することも可能です(計算量は多くなりますが。) 答え:2π/3√3
不定積分をする場合は、C1,C2,C3を定数として、1/(1+x3)=C1/(1+x)+C2・(2x−1)/(x2−x+1)+C3/(x2−x+1) という形に置き換えることを考えます。3項目は平方完成して、∫1/(x2+A2) dx=(1/A)・Arctan(x/A)+C を利用します。
これらを纏めると、∫1/(1+x3) dx=[log{|x+1|/√(x2−x+1}+√3・Arctan{(2x−1)/√3}]/3+C (Cは定数) と、なります。
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